ずば抜けて実務能力が高くなくても人より成果を上げられる人は何が違うのか。
今、ビジネスパーソンから経営者まで数多くの相談を受けている“悩み「解消」のスペシャリスト”、北の達人コーポレーション・木下勝寿社長の『「悩まない人」の考え方』と『時間最短化、成果最大化の法則』がベストセラーとなっている。
木下氏は「私は実務能力がずば抜けて高いわけでない。だが①悩んでいる時間の短さと②タスク管理能力の高さだけは突出しているかもしれない」という。①と②にそれぞれ対応したのが上記2冊。そこで「ここ20年以上悩んでいない」という著者を直撃。今回は「自信がないという悩み」に関する論考をお届けする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

「自信」という不思議なもの
ここ数年、若い人たちから、
「何事にも自信がないんです。どうしたらいいでしょうか」
という相談を受ける。
最近は40歳以降の管理職や経営者からもそういった相談を受けることが少なくない。
みんな「自信がない」と悩んでいるのだろう。
確かに無理もない。
日本の小学校から大学までの各教育課程で「自信」という科目を見たことがない。
いろいろな人を見てきたが、スポーツ系の部活をやってきた人がみんな「自信があるか」というとそんなこともない。
文化系の部活をやっていた人でも「自信がありそうな人」もいればそうでない人もいる。
また、本人が「自信がない」のに、はたから見ると「自信がありそう」に見えることもある。
こう見ると、「自信」とは摩訶不思議なもので、なんと定義したらいいか、わからなくなりそうだ。
「あるか、ないか」ではなく
「持つか、持たないか」
だが、本当に「自信がある」人はどのくらいいるのだろう。
自信は「あるか、ないか」ではない。
「持つか、持たないか」であり、「自分の意志」で決めることである。
私が初めて自信を持ったときのエピソードを共有したい。
私が当時勤めていたリクルートを退職してたった一人で起業しようとしたとき、ふと不安がよぎった。
「大丈夫だろうか?」と。
そのときに思ったのは、
「私は仮に思いどおりいかなくても、血反吐を吐いてでも、成功するまでやり続けるだろう。私は自分がそうすることを信じられる」と思った。
「自信を持つ」とは何だろう?
まさにこの瞬間、「自信」という漢字の成り立ちに初めて気づいた。
「そうか。自信とは“自”分を“信”じるという意思表示なんだ」
つまり自信を持つとは、「信じられる自分」になることなのである。
今までの自分は信じられなかった。
しかし、
・何があっても逃げない
・ごまかさない
・あきらめない
こう決めたときに私は初めて「自信(自分を信じる心)」を持った。
自信を持とう。
自信を持つとは「信じられる自分になる」という「意志」なのである。
(本稿は『「悩まない人」の考え方──1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』の著者による書き下ろし記事です。)