フジテレビが赤字に転落へ

 フジ・メディア・HD は25年3月期業績予想を下方修正している(1月30日)。詳細は下記の通り。

24年5月9日時点予想→最新の業績予想
◆売上高5983億円→5482億円(501億円減、8.4%減)
◆営業利益353億円→180億円(173億円減、49.0%減)
◆経常利益404億円→241億円(163億円減、40.3%減)
◆純利益290億円→98億円(192億円減、66.2%減)

 本業で稼いだ利益を示す営業利益が、当初予想から半減する見込みだ。下方修正の理由はまさに、フジテレビにおいて広告収入が低迷していること。同社は今回のCM差し替えとキャンセル分について、早期に広告の発注を再開してもらうためにも料金を請求しない方針とした。

 実はフジテレビの業績は、第3四半期まで(4~12月)は増収増益だった。タイム、スポットいずれの広告収入も増収で、配信広告は前期比42.2%増。イベント事業は前期の反動減で減収だったものの、デジタル事業では有料会員が増加し、コンテンツ販売が好調で増収。アニメも配信権販売や海外展開好調で増収だった。

 そんな好調ぶりを一変させたのが、年明け以降の動向だ。25年3月期は、フジテレビが中核となるメディア・コンテンツ事業の営業利益が33億円の赤字に転落する予想。同事業が足を引っ張ることから、全体の営業利益は180億円になる見通しだ。

 ただし、グループ全体の中で、フジテレビの存在感はもともと低下していた。下図は、フジ・メディア・HDの営業利益の推移をグラフにしたものだ。※25年3月期はフジテレビの営業利益をゼロと仮定し作成

「日枝帝国」崩壊!フジテレビは赤字転落でお荷物に…5月・6月にフジを襲う荒波とは?※25年3月期はフジテレビの営業利益をゼロと仮定。資料を基に編集部作成
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 13年3月期にはグループ全体で376億円、そのうちフジテレビは234億円、割合にして約62%をたたき出していた。ところが24年3月期では全体で335億円のうちフジテレビは54億円、割合にして約16%にまで低下している。

 25年3月期にフジテレビは最終赤字に陥る可能性が高い。CMは利益率が高く、売り上げ減少が利益に直結するからだ。08年の持ち株会社移行後、フジテレビが赤字となるのは初となる。

 グループ全体では、近年のフジテレビの利益は端から当てにされていない。フジテレビの凋落は、都市開発や観光事業がカバーしてきた。オフィスビルや「ルフォン」ブランドのマンションは好調で、インバウンド需要によりグランビスタホテル&リゾートも成長している。

 しかしながら、フジテレビ単体の貸借対照表(24年3月期)を確認すると、利益剰余金(内部留保)は68億円しかない。赤字が常態化すれば利益剰余金を食いつぶし、さらに経営状況は悪化。フジテレビの放送事業は、祖業でありながらグループの“お荷物”と化すだろう。