フォルクスワーゲンのアイデンティティ「技術の民主化」とは?

 フォルクスワーゲンで「ゴルフ」の次に売れている主力車「パサート」。昨年11月に発売された新型パサートの最大の進化は、プラットフォームが「MOB」から最新の「MOB evo」に変更されたことであり、それによってクルマの基礎性能がアップ。剛性が高くなり、軽量化に成功した……というところまで前回はお伝えした。新型パサートはプラットフォーム以外にどこが変わったのか?今回はそのあたりから聞いていこう。

フォルクスワーゲン「パサート」フォルクスワーゲン「パサート」(広報写真)

フォルクスワーゲン グループ ジャパン ビジネスオペレーション本部 プロダクト・マネジメント課 シニアプロダクトマネージャー 八木 亮祐さん(以下、八):技術的な説明に入る前に、フォルクスワーゲンのアイデンティティについてお話したいと思います。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):フォルクスワーゲンのアイデンティティ、ですか?

八:はい。先程はプラットフォームのお話をさせていただきました。

F:はい。軽量化されたMQB evoについて伺いました。

八:もう一つの技術的なトピックは、DCCという可変ダンパーです。我々は以前からアダプティブシャシーコントロールと呼んでいるのですが、略称はDCC。これを最新のものにしました。

※アダプティブシャシーコントロール(Adaptive Chassis Control)。略称にするとACCになるはずだが、フォルクスワーゲンはDCCと称している。DCCは「Dynamic Chassis Control」の頭文字を取ったものだ。可変ダンパーは、車両の走行状況やドライバーの操作に応じてダンパーの減衰力を電子制御し、乗り心地や走行安定性を最適化する技術である。

八:この技術の採用は、フォルクスワーゲンのアイデンティティである「技術の民主化」の現れでもあります。

F:技術の民主化。それはどういう……?