先週の総括
先週の日経平均株価は月曜日に中国政府系ファンドが外貨準備を活用し日本株投資に動くとの報道があり、15000円台に乗せた。またアブダビ投資庁が米シティーグループに75億ドルの出資をすると発表し、サブプライム問題が収束するとの思惑で堅調に推移した。
その後もFRBの利下げ期待もあり、週末の日経平均株価は前週末比5.3%高い15680円で引けた。規模別には大型株主導の展開となった。また、新興市場のマザーズ指数も大幅に上昇した。業種別には、その他金融・銀行などがザブプライム問題の解決期待から大きく上昇した。
今週の予報
消費者金融:最終益黒字化で「雨」→「曇」
→ |
今週の日経平均は引き続き堅調な動きを予想する。足元の経済指標は鉱工業生産を含め堅調だ。これら実態面を無視してザブプライム問題を懸念して株式市場は売られてきたわけだが、先週のシティーグループへの出資等、この問題も沈静化しつつある。米国クリスマス商戦も出足はまずまずのようだ。不安心理の後退から株価は上値を試す展開もあろう。
消費者金融の株価が大幅に戻している。消費者金融最大手である(8564)武富士を見ると、9月26日の安値1833円から11月1日の3060円まで短期間で67%という驚異的な上昇率だ。また出来高も急増している。これは単なるテクニカルリバウンドではなく、何か業績等基礎条件が変化しつつあることが背景であろう。直近の日本株市場全体の下げに対してもほとんど無反応であることは心強い。中間決算では、営業収益は10%程度減少しているものの、過払い金の返還に備えた引当金が大幅に減少し、最終損益は黒字転換した。
消費者金融業界は、「貸出金利の引下げ」「過払い金の返還請求」「総量規制」の三重苦により業界先行きに対し悲観的な見方が強い。数年後には業界淘汰も噂される。ただし業界全体が無くなる訳ではないので、トップ銘柄を保有することは株式投資として検討の余地がある。その意味では三井住友FG傘下で三洋信販との合併で業界最大手になるであろう(8574)プロミスには注目している。
今回のポイント(まとめ)
消費者金融業界自体には先行き悲観的な見方が根強い。それを否定するつもりは毛頭無いが、そういう時期は株式投資として妙味のあることが多い。業界自体は存続し続けるので生き残り銘柄に注目したい。