「真面目に仕事をしているのに、なぜか上司に評価されない…!」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

毎日「全力」の人は出世しない
突然ですが、皆さんは毎日全力で仕事をしていますか?「給料をもらっているんだから、仕事は全力でやらないと」と考えている人も多いと思います。
しかし、実は職場で出世する人は、常に全力で仕事をしているわけではありません。多くの場合、自分の出力を80%程度に保ちながら、自分の出世の確率を最大限に高める工夫をしています。
今回は、その働き方のコツについて詳しく紹介していきましょう。
「全力」は短距離走のようなもの
まず、「自分にとっての全力」とはどれくらいのものか、考えてみてください。人によって異なると思いますが、例えば、「夜遅くまで残業している」、「家に帰っても仕事をしている」、「休日も仕事をしている」、など、人によって「全力」の定義は違うと思います。
では、もう一つ質問です。そのような働き方を、果たしてずっと続けられるでしょうか?
おそらく無理だと思います。基本的に「全力」とは、100メートル走のような短距離で使う一時的な馬力だと思ってください。それで10キロ、20キロと走り続けるのは、基本的に無理があります。
常に80%くらいにセーブすると、ここぞの100%が映える
では、出世する人たちはどうしているのでしょうか?
職場で出世する人は、「70~80%程度の力を維持しながら、安定して走り続けられるように出力を調整している」のです。マラソンを走り切るときのペースのイメージです。
ビジネスパーソンの人生は、長距離マラソンのようなものです。そこで、たとえば「本当は夜遅くまで働けるけど、あえて早めに帰る」といったように、自分が無理なく対応できる範囲で仕事をコントロールして、その範囲内で成果を出せるように集中しているのです。
さらには、日頃から出力を70~80%に抑えておくことにはもう1つメリットがあります。それは、ここぞというときの100%が映えるということです。日頃力を抑えているので、うまく成果を残して出世のチャンスをつかむ可能性を高めることができるのです。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)