社内恋愛や上司の好み
情報の集めすぎの愚
ビジネスにおいて「情報」を持っている人は強いと言われてきました。
リーダーなのだから、部下よりたくさんのことを知っていなければならないと考える人も多いでしょう。
リーダーNさんは、チームのためにも情報が役に立つと考え、社内外を問わず、いろいろな人と交流して「情報通」であることを心がけていました。しかし、情報を多く集めようとすることで、不要な交流や面談、目を通す資料やニュースが増えて時間がとられるうえに、情報過多に陥り、知り得た情報をうまく活用することができないばかりか、仕事がどんどん増えてしまい、気づいたときには「仕事に追われるリーダー」の典型になっていました。
以前、そんなNさんから相談を受けました。
Nさんが陥っている状況について話を聞いた瞬間、「それでは時間がなくなるはずだ」と思った私は、次のようなアドバイスをしました。
1 誰もが平等に情報を得られるようになった
「情報」は、ある程度インターネット(以下ネット)で抽出できるようになりました。必要なときに必要な情報を得るスキルさえあれば、ある程度は対応できる時代になったと言ってもいいでしょう。
機密情報などさすがにネットには載っていない情報もあるかもしれませんが、そうした情報が必要になるシーンはかなり限られています。その限られた場面のために、「情報通」である必要はないのです。
2 価値のない情報はいらないもの
社内のメンバーでのランチや他部署との飲み会などで得た「情報」は、社内のメンバーに関することが少なくありません。
「誰と誰が付き合っている」「常務は誰が好きか」「最近Cさんは大きなミスをして人事の評価が下がっている」といった足の引っ張り合いにしか見えない情報は、はたして必要でしょうか。コミュニケーションは大事ですが、不要な情報を得る時間も、その情報をストックしておくために脳を使うのも、もったいないでしょう。