時間が短いので気楽にできるだけでなく、知識の吸収という意味では、「分散学習」と呼ばれる効果的な学び方にも通じるのだ。

予定がくるっても焦らない
「時間修正力」を身につける!

 日本を訪れる多くの外国人が驚くことのひとつに、列車の運行時刻の正確さが挙げられる。それもそのはずで、日本の時刻表は秒刻みで作られている。

 しかし、それだけにひとたび遅れが出るとその調整作業は大変だ。とくに朝のラッシュ時など発着本数が過密な時間帯は、こまめな修正を繰り返してどうにか帳尻を合わせている。

 この修正という作業は、一般的なスケジュール管理でも大きな意味を持つ。勉強のスケジュールに遅れが出るケースは日常的にあるからだ。

 そこで問題になるのが、修正のしかたである。

 たとえば、1週間で学ぶ範囲を設定してスケジュールを決めたとする。ところが、予期せぬ仕事や用事が舞い込んできて水曜日の時点で丸々2日分も遅れてしまった。こうなると、ふつうの人は「日曜で終わるはずだったのに火曜までかかるな」とマイナスの思考回路に陥り、時間配分へのモチベーションが下がってしまい意欲まで失ってしまうのだ。

 こんなときは、遅れた時点ですぐに目標を修正するのが得策だ。といっても、無理に2日分の遅れを取り戻そうとするのではなく、本来のリミットはそのままに、どこまでできるのか現実的な範囲を決めて、「プロセス目標」(行動に焦点を当てた目標)の時間配分を逆算すればいいのである。

 こうすればしっかり達成感も味わえるし、残りのぶんは日曜日にまた設定する次の目標に含めればいい。とにかく継続するためには、遅れが出たことで失われる意欲をいかにして復活させるかが大事なのである。

チリも積もれば必ず力になる!
「あと少しの積み重ね」

 何かを極めようと高い目標を置いてそれを目指した人が、引き際によく使うのが「限界」という言葉である。

 スポーツ選手しかり、芸能人しかり、あるいは大恋愛の末に結ばれたカップルなども、お互いに嫌気がさして「もう限界」といって別れたりする。