しかし、スポーツ選手の体力的な限界ならともかく、精神的な限界とはあいまいなものだ。誰かが「もうムリ」とさじを投げるレベルでも、第三者にとっては「まだまだ」と思えることは少なくない。つまるところ、精神的な限界は自分の心しだいということになる。
では、できるだけその限界点を遠ざけるにはどうしたらよいか。
最も簡単で効果的なのは、限界を感じたら「あと少し」だけがんばってみることだ。
たとえば「今日はもう疲れてこれ以上問題を解くのは無理。限界だ!」と思ったら、そこからあと少しだけ続けてみる。
それがあと1ページなのか、あと10分なのかは人によって個人差があるが、このラストの「あと少し」の積み重ねは時間として貴重なのはもちろんのこと、モチベーションを高めるのに絶大な効果を発揮してくれる。限界より先の世界へ進めたことが、大きな自信にもつながるのだ。
先に挙げた恋愛とは異なり、学びは自分の意志だけの問題なのでこのしかけが効果的に機能する。毎日繰り返せば、短時間でモチベーションを上げる力があっという間に身につくので、性格的にも粘り強い人間になれるのである。