いきなりのEV化は難しいのでは?
次世代モデルがEVだと仮定すると、GT-Rの商品イメージのギャップが大きくなるように思う。
日産との経営統合が協議された際、ホンダ次世代EV「ゼロシリーズ」で登場が予想されている「NSX」のEV版と次世代GT-Rが、EVプラットフォームを共有する可能性を報じたメディアも複数ある。
しかし、GT-Rの世界観をEVで表現することは極めて難しい。単なるハイパワーや俊敏性といった観点がGT-Rの持ち味ではないからだ。
また、EVのハイパフォーマンスモデルとして、自動車メーカー各社が注目しているのが韓国ヒョンデ「IONIQ 5 N」だ。いわば、EV界のGT-R的な存在なのだが、GT-Rが追求するべき世界観ではないように思う。実は、今回のGT-R横浜試乗の2週間前、筆者はヒョンデの韓国国内テストコースでIONIQ 5 Nを全開走行させている。
EVではないとすると、イタリアンスーパーカーのようなハイブリッド化やプラグインハイブリッド化、また日産が国内スーパー耐久レースでフェアレディZ向けに採用している、合成燃料のEフューエルなど、地球環境にひも付く各種の規制対応の方策はあるだろう。
いずれにしても、次世代GT-Rの商品性は、どんなパワートレインを使うかではなく、GT-R固有の世界感をつくり出すために何をするべきかが重要だと感じる。
果たして、10月末に開幕するジャパンモビリティショーで次世代GT-Rに関する何らかの発表はあるのだろうか。
日産の新経営陣による決断を期待したい。