会議の後、川原先生はすぐさま則定先生に連絡を取り、了承を得た。勝つために、最後まで徹底して詰めていく。このときの川原先生からは勝負へのこだわり方を学んだ。

 こうして私たちは、新たに「再生会社の株式について」「再生計画認可決定確定後の取締役について」という2つの文書を足利銀行に提出した。これが私の、代表取締役副社長として最後の公式文書だった。

 足利銀行の承認が取れ、賛成の議決票が届いた。別除権協定も締結する見込みとなった。最終的な債権額の賛成比率は鹿沼カントリー倶楽部が80.1%、東北縦貫開発(鹿沼72カントリークラブ)が87.7%、栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部が82.8%と圧倒的多数を獲得した。

 弁護士先生たちの執念と胆力が勝利をもたらした。12月9日には裁判所から正式に認可確定の通知が出た。申し立ての準備を始めてからおよそ1年。季節は再び冬になっていた。