セクハラ、パワハラなど昭和的な風潮は
ほとんどなくなりつつある令和
さて、ひと昔前には、「おまえはクビだ」「もう来なくていい」などと、どやす上司がかなりいた。テレビドラマなどでも、そのような上司がたびたび描かれていた。むしろ、きわめて日常的なことだった。
最近では、これらのパワハラ表現を本人に向かって口にする人は減った。このような言葉を本人に言ってしまうと、相手はひどく傷つき、反感を持つだろう。場合によっては即座に争いが起こっておおごとにならないとも限らない。
本人に向かって言わないにせよ、ほかの人に「あいつに仕事を任せてみたけれど、ひどかったよ」「あいつは使い物にならん」「あいつは無能だ」と口にすることはあるだろう。
しかし、その場合も、まわりまわってきっと本人の耳に入り、大きな問題が鬱積(うっせき)することになるだろう。しかも、このようなことを口にしたからといって、本人の状況が改善されるとは思えない。百害あって一利ない状態になってしまう。それどころか、場合によっては、それが混乱を引き起こすことになりかねない。
近年、大きな組織であれば、どこにでもハラスメント・センターなどが設けられ、専門家を置いてしっかりした対応をしているようだ。そのために、セクハラ、パワハラなどの意識が高まり、日本でも人権がかなり重視されるようになったとは言えるだろう。間違いなく、好ましい成果を上げている。
令和基準でも
“非常識”な部下はいる
ところが、漏れ聞こえてくるところによると、もちろんきわめて正当な訴えも多くある一方で、どう考えても訴えているほうがあまりに非常識、あまりに甘ったれということも多いようだ。
とりわけ、パワーハラスメントについては、昭和の基準はもちろん、現在の基準から考えても、そんなに甘ったれていては社会で通用しないだろうと思えるような訴えがかなり寄せられると聞いた。