
たった一度の人生、後悔したくないので起業
モットーは「ちょっとだけおせっかい」
日本を代表するシンクタンク、野村総合研究所(NRI)で経験を積み、スタートアップ企業、フリーランス活動を経て、ハーブティーを提供するベンチャー企業を起業したのが松見咲子さんだ。
松見さんが手掛けたブランドdaytune.のコンセプトは「Keep tuning your life. チューニング習慣で、生活にリズムを。」である。

忙しく働く毎日に追われ社会のリズムにのまれ自分の心身が置いてけぼりになる中、毎日、一息つき、自分の心身を点検する時間をつくり、今の状態と在りたい状態を確認して、その瞬間からまた始める、社会の「当然」と自分の「自然」のリズムを日々チューニングし、折り合いをつける、そんな“チューニング習慣”を提案する。
起業はコロナのタイミングだった。皆がリモートで働く中、自ら心身のチューニングができるようにと、生活のリズムやシーンに合わせたハーブティーを提案した。
忙しい現代社会において、立ち止まり、考える機会を与えるものだ。自社サイトでの販売、提携しているショップやECサイトでの販売のほか、さらにはマルイや蔦屋書店など様々な商業施設で期間限定のポップアップストアを展開してきた。
「これでいいのいかと現状を疑う」「自分で選んでもらう」「ちょっとだけおせっかいをして提案する」。今回のインタビューで幼少期から現在までの全人生をきいて、これこそ松見さんが大切にしてきたことだと感じた。
どうして松見さんは起業という道を選択したのか。キッカケの一つは、家族、親族の死だった。ある年、1年で次々にお世話になった親族が亡くなった上に、自分の父親まで亡くしてしまった。人生で何を大切にするべきかを考えた。
父親がよく言っていたのは、「いつかは起業したい」だった。実際に、友人たちと会社を立ち上げ失敗したこともあるそうだ。その後、タクシードライバーとして働き、2人の娘を育てた。
たった一度の人生。後悔しないためにも起業という道を選んだ。コンサル・シンクタンク、スタートアップ、フリーランスを経ての起業だった。自分だけで考え、判断できる道を選んだ。思ったことを思ったようにやり、誰かが反応してくれることに喜びを感じている。