NRIで学んだ
「頭に汗をかくこと」
新卒でNRIに就職した。ビジネスパーソンとして、力を付けるのにいい環境だと考えたからだ。
そんな中でも「ただ仕事ができるようになればいい」と考えたわけではなかった。
「感覚的な右脳も、論理的な左脳も大切にしたい。もともと大事にしている右脳だけでなく」
コンサルは、左脳を鍛えられる環境だとも思い、様々なプロジェクトに関わることができることも魅力だった。
数々のコンサルティング会社、シンクタンクがあるが、NRIは国の仕事も、民間の仕事も幅広く担当できるのが特徴だ。社会に大きな影響を与えるプロジェクトに参加して、何かを変える力、よい意味でおせっかいをして組織や社会を変える力を身に着けたいとも考えたという。
「働く人のキャリアにも影響を与えることができる仕事だとも確信した。世の中の動きをつくる仕事でもあると考えた。さらに、一橋大学卒業後に、NRIで働くということは、自分の実力を示す証明書になるのではないかという想いもあった」
会社で学んだことは、限界まで考えるということ。もともと考えることは好きだったが、NRIでの日々では、考える枠組みを叩き込まれただけでなく、極限まで自分を追い込む。「当たり前の『基準』が高かった」
資料の作り込みにおいても、わかりやすさだけでなく、説得力、エビデンスの精度などが求められた。クライアントが求めることをクリアするだけでなく、相手にとって驚きがあるレベルの成果を目指した。
「頭に汗をかけ」とNRI時代は上司や先輩から指導を受けた。自分では考えたつもりでも何度も詰められる。「正しそうなこと」を「疑え」とも教えられた。
正直、厳しい指導だと感じていたが、今では感謝している。
大学時代から、簡単に答を出さないことにはこだわってきた。わかりやすいことの罪にも気づいた。何度も立ち止まり、本当にそうなのか、これでいいのかと考え抜く姿勢が身についた。