
高学歴ショック人間大集合!有名大学を卒業後、世間に、人にショックを与えるような活動をしている人のキャリアは、何がどうなってそうなったのか。連載第3回では、一橋大学社会学部を卒業後、一流企業のコンサルタントとして活動し、株式会社フローミュラ代表取締役社長としてハーブティーのブランド「daytune.」を手掛ける起業家・松見咲子さんに、これまでの歩みを語ってもらった。(千葉商科大学 基盤教育機構准教授 働き方評論家 常見陽平)
キラキラな経歴が
本人を前に解けていく
前のめり就活生の間で、じわじわ流行っている言葉がある。それは「トリコン」という言葉だ。「とりあえずコンサルティング会社」という意味である。
自分のスキルを高める上でも、経営者や優秀な仲間との人脈を形成する上でも、将来の起業や経営幹部として転職するためにも、ファーストキャリアはコンサルを選ぶという人がいる。
実際、ハイクラス求人に特化した就職情報サイト、ワンキャリアが毎年、調査し発表している東大・京大限定人気企業ランキングでも上位にはコンサルが並んでいるし、上位校の就職先においても、就職先の上位にコンサルやシンクタンクが入る。
強い向上心とギラギラした野心を胸にコンサルに入社する若者が多い中、松見咲子さんを前にすると、正直、そんな印象は受けない。物事を突き詰めてよく考えて、慎重に言葉を選ぶ。穏やかで、誠実に答えようとしてくれる優しい感じがする。キラキラな社会的属性や経歴への勝手な印象がふんわりと解けていく――。