なんのために大学進学するのか

――なるほど。学生次第ということですね。

びーやま:そういうことです。僕が普段、Fラン大学をあまりおすすめしないのは大卒であることのメリットがあまりないからです。

 結局、大卒のメリットの1つは、学歴フィルターを突破していい企業に入りやすいことですが、Fラン大学の場合、書類で落ちることがほとんどです。仮にFラン大学で書類が通る会社があったとしても、条件は違えどその会社には高卒でも入れることがほとんどです。

 つまりは未来に直結する就活上のメリットが弱いために僕はFラン大学否定派の立場をとっています。

 ただ、一方で、大学は就職予備校ではありません。あくまで「勉強するところ」が大学ですから、どんな大学であれ、その学生がコツコツと勉強を続けられるのであれば、就職のメリットなど度外視していいとも思っています。

 加えて、そういった環境でも勉強を続けられる学生は、自分の軸を持っているので、結局就職でもいい選択ができるでしょうし、転職などで最終的にいい企業のいいポストにいるということも十分にあると思います。

――おっしゃりたいことはよくわかりました。ただ、そういう生徒は少ないのではないでしょうか。

びーやま:多くはないと思います。

 ただ、いないわけではありません。受験期に体調を崩してしまったとか、家庭の事情で家の近くしか受けられなかったとか、単純に試験でミスしてしまったなどあると思いますが、いい意味で「どうして君がこの大学に?」という学生はいます。

 そしてそういう学生が4年間で自分らしさを見つけていくのはいいことなのではないでしょうか。

 また、稀ではありますが、大学で勉強に目覚める人もFラン大学にはいますからね。

 なので、そういった形で大学を使い倒せるのであれば、Fラン大学だろうがなんだろうが行くべきだと僕は思います。

 逆をいえば、「頑張る気がない学生」は、中途半端に進学しないほうがいいと思います。それは大学進学うんぬんの話ではなく、別に大卒が偉いわけでもなんでもないですから、自分が楽しいと思える道に進んだほうが幸せなのではないかという意味です。

 今の時代、高卒で働いて経験を積んだあとに、「やっぱり勉強したい!」と、社会人で大学に進学する人も多いですし、そういった人向けの入試もたくさんあります。

 なんとなく18歳で大学進学するより、本人が意味を感じて進学するほうが圧倒的に意味がありますから、無理に18歳で大学に進まなくてもと個人的には思います。