
春はあっという間に過ぎ去り、すっかり初夏の陽気となった。この時期になると、入浴はシャワーだけで済ませる人が増えてくる。一方で、暑くても湯船には浸かるという人も多い。シャワー派と湯船派……果てしてどちらがより健康的なのか。エビデンスに基づく解説で、決着をつけようではないか。(構成/ココロミル、監修/東京科学大学 教育研究組織 病院 医系診療部門・内科系診療領域 循環器内科 助教 磯谷善隆氏)
毎日湯を張るとお金が…
タイパもコスパも悪い湯船
春から夏にかけて気温が上昇すると、「湯船に浸かるのは暑くて面倒」と感じ、シャワーだけで済ませる方が多いのではないでしょうか。特に都市部では、浴槽を使用せずシャワーのみで済ませる家庭も少なくありません。
また、経済的な理由から光熱費を節約するために浴槽にお湯を張ることを控える方も少なくないでしょう。近年では「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する傾向もあり、シャワーだけで手早く済ませたいというニーズも高まっています。
しかし、入浴方法によって健康への影響が異なる可能性があることをご存じでしょうか。特に心疾患のリスクに関して、湯船に浸かる習慣とシャワーだけの習慣で差があるという研究結果が報告されています¹。
では、実際にどちらの入浴方法が心疾患のリスクを高めるのでしょうか。