たとえば「Z世代は、仕事よりプライベートを優先しがち」という意見があるけれど、「Z世代」はある年代に生まれた世代を指すにすぎないわ。仕事を重視する人も当然いるから、大勢を一緒にして語られることに当事者はムッとするの。
そもそも、「ある集団を区切って傾向をとらえる」ことは、一般的な分析方法だけれど、集団全体に特有の傾向があるわけではないわ。「この世代特有の傾向がある」という考え方と、「この人特有の傾向がある」という考え方の両方をとり入れればいいの。
ある世代の傾向は、その世代にとっての「常識や価値観」を意味していて、それを踏まえてコミュニケーションを図るのは決して無駄ではないわ。後は言い方の問題よ。
では、違う世代の人とコミュニケーションを図る時に、何に気をつければいいかしら?
まずは、ネガティブな話題を扱わないこと。
「○○世代はやる気がない」「○○世代は、しつこい」などネガティブな話題は当然NGよ。「最近の若い人は」が嫌われるのは、文脈上、その後にネガティブな話題が続くからよ。つまり、ジェネレーションギャップ自体が問題なのではなく、単に相手を否定している姿勢が問題なの。ネガティブな話題を扱わなければ何も問題ないのよ。
次に、自慢やマウンティングをしないことも大切よ。
「我々の若い頃は、みんな元気があってバリバリ働いていた」など、自慢やマウンティングにつながる発言もNGよ。こうした話が嫌われるのは、話し手(自分)を上げて、聞き手(相手)を落としているから。相手は何も言わないかもしれないけど、内心では嫌がられているはずよ。
特に「今の若い人はかわいそう」などという発言はサイアクよ。そんな風に言われたら、誰だってカチンとくるわ。
世代文化の違いは
話題にしてもいい
意外かもしれないけれど、世代の文化の違い(ジェネレーションギャップ)は話題にしてもいいのよ。
テレビ番組やネット記事では、ジェネレーションギャップに関するクイズやランキングなどをよくとり上げているわよね。