あとは、必要に応じて質問したり、マインドマップを表示させたり、今回の目的である音声概要を生成させることができるようになる。音声概要は、男女2人のキャスターの掛け合いによって構成され、合いの手の入れ方が絶妙で、時に笑えるような反応もしてくれる。以前はソースが日本語でも英語の音声概要しか生成できなかったが、先ごろのアップデートで多国語対応し、日本語のポッドキャストが作れるようになった。男女キャスターの軽妙なやり取りも健在だ。

 ただし、音声概要機能は今でもベータ版提供ということもあり、漢字の読みが不自然なところがある。また、男性キャスターには非日本語ネイティブ的な訛りが感じられ、あえていえば、お笑いコンビ「パックンマックン」のパックンを彷彿とさせる話し方をする。女性キャスターはいたって自然な日本語を話すので、これは意図的な仕様なのかもしれないが、現時点ではこれらの気になる点も愛嬌ととらえて付き合うのがよさそうだ。

 なお、NotebookLMは無料で利用できるが、月額2900円のGoogle One AI プレミアムプランに加入すると1ノートブックあたりのソースの上限数が5倍になるなどのメリットがあるNotebookLM Plusを利用できる。無料プランでは1日あたりの音声概要生成も3回に限定されるので、多くの音声概要を一度に作りたい場合にはアップグレードが必要である。

例1:AIと著作権の関係について、文化庁の見解を音声で説明

 ここからはいくつか、筆者が実際にNotebookLMで作った音声概要のサンプルを紹介する。最初の音声概要は、企業などで文書の内容やガイドラインを社内に周知させたい場合を想定し、ソースとしてAIと著作権に関する文化庁の見解を読み込ませてみた。具体的には、令和6年3月15日に文化審議会著作権分科会法制度小委員会が公開したPDFである。

 このPDFを読み込んだ後、右端に表示される音声概要の生成ボタンをクリックすると、ソースの情報量に応じて数分〜十数分程度で再生可能な状態になる。また、カスタマイズボタンにより、特定のソースや話題だけを対象にしたり、特定のユーザー層に向けた内容の音声概要を生成させることもできる。

AIと著作権に関する文化庁の見解を読み込ませて、生成ボタンをクリックすれば、十数分程度で音声概要ができあがる。ソースや話題、ユーザーを限定して生成させるカスタマイズも可能だ 生成結果はWAV形式の音声ファイルとしてダウンロードできる。それを、AI生成した2人のキャスターのイメージと組み合わせてYouTubeにアップしたものが以下の動画である(ここでは、イメージは静止画のままとした)AIと著作権に関する文化庁の見解を読み込ませて、生成ボタンをクリックすれば、十数分程度で音声概要ができあがる。ソースや話題、ユーザーを限定して生成させるカスタマイズも可能だ 生成結果はWAV形式の音声ファイルとしてダウンロードできる。それを、AI生成した2人のキャスターのイメージと組み合わせてYouTubeにアップしたものが以下の動画である(ここでは、イメージは静止画のままとした) 拡大画像表示
AIと著作権に関する文化庁の見解をベースにしたポッドキャストの例。他の音声概要は6分程度が多い中、内容が濃いために25分弱の長さになった

 ポイントとなる点を自動でピックアップし、平易に説明していることがわかる。さらに詳しい内容が必要であればカスタマイズ機能で調整可能だが、元の資料に目を通してもらうための呼び水としては、これでも十分な内容になっている。