例4:英語のテキストをまとめさせたらどうなる?

 古文と同様に、ソースが日本語以外でも問題なくポッドキャスト化したり、質問して回答させたりすることが可能である。このケースでは、アフリカ系アメリカ人公民権運動のリーダー、マーティン・ルーサー・キングjr.牧師の有名な「I have a dream」の演説をソースとした。

 この演説は「I have a dream」のくだりが多く取り上げられるため、そこから始まるものと勘違いされることがあるが、それは後半の冒頭にあたり、実際にはその倍ほどの分量がある。

 言語の壁を越えて様々な情報をソースとして利用することは、他のチャット系生成AIでも可能だが、ポッドキャスト化できることも含め、ノートブックという形式で生成AIの初心者でもわかりやすく使える点で、NotebookLMは独自のポジションを築いている。

キング牧師のキング牧師の"I have a dream."の例。NotebookLMでは、日本語以外のソースでも同じように日本語のポッドキャストに仕立てることができる 拡大画像表示
キング牧師がなぜこの演説を行うに至ったのか、その背景も含めて解説されている「I have a dream」の演説のポッドキャスト

例5:漫才の台本を読み込ませたらどうなる?

 最後は、実験的に漫才の台本をソースとしてみた例を紹介する。この台本は、日本一学校を回るお笑いコンビ「オシエルズ」の矢島ノブ雄さんが、フリー素材として公開している「みんなの台本(著作権フリーの漫才・コント)」から選んだ「前世が織田信長の友達」というものだ。

 このサイトで公開されている台本は、一報を入れることでアレンジ(改変)も可能とされており、矢島さんの許可もいただいて解説ポッドキャスト化してみた。本来は、2人のキャスターがボケとツッコミ担当に扮して、実際の漫才を演じてくれることを期待したが、やはり解説としてまとめられている。

 漫才は演じてこそ面白いものなので、このようにAIに解説してもらって面白いかは意見の分かれるところだが、例によって読みのおかしな部分を除けば、やり取り自体はうまくまとまっていると感じる。

漫才としても面白く、歴史の豆知識にもなっている「前世が織田信長の友達」という台本をソースとして読み込ませてみた漫才としても面白く、歴史の豆知識にもなっている「前世が織田信長の友達」という台本をソースとして読み込ませてみた 拡大画像表示
ボケとツッコミのやり取りにはならず、真面目に漫才の解説が行われていく「前世が織田信長の友達」のポッドキャスト

 読むのが大変なものや、なかなか読んでもらえないものをポッドキャスト化して「聞かせてしまう」というのは面白いアプローチだ。読者の皆さんも、何か身近なソースをNotebookLMに読み込ませてポッドキャスト化してみてはいかがだろうか。きっと新たな気づきが得られるはずだ。