例2:日本国憲法の前文~堅苦しい文章も親しみやすく変換

 次にソースとして読み込ませたのは、日本国憲法の前文である。これは音声概要を教材的に利用することを想定した試みだが、堅苦しい文章の内容が平易な解説へと変換されている。また、憲法制定時期などの背景情報にも触れられており、理解の助けとなる工夫も見られる。

 カスタマイズ設定で、小学生向けや中学生向けなどの対象を指定すれば、子供向けにさらにわかりやすくすることもできる。

日本国憲法前文をソースとして読み込ませ、音声概要を生成させたところ。AIと著作権の例と同様に、ソースガイドの概要の文章内で重要なポイントが太字で示されることも理解の助けとなる日本国憲法前文をソースとして読み込ませ、音声概要を生成させたところ。AIと著作権の例と同様に、ソースガイドの概要の文章内で重要なポイントが太字で示されることも理解の助けとなる 拡大画像表示
ポッドキャスト化によって、述べられていることのポイントが理解しやすくなった日本国憲法前文

例3:徒然草~古文も(ある程度)解釈できる

 別の教材を想定した例として、吉田兼好の徒然草の解説ポッドキャストも生成してみた。この場合には、古文をそのまま読み込ませても解釈できるかという点にも興味があった。実際に試してみると、テキスト化されたものであれば問題なく解釈できる。

 それでも、冒頭で一節を復唱する際に「つれづれなるまゝに、日くらし、硯(スズリ)にむかひて、心に移りゆくよしなし事(ゴト)を……」の「硯にむかひて」の部分を「つれづれむかいて」と読み上げたり、吉田兼好の名前を「かねこう」と読んでしまったり、「徒然草」の読み方にも怪しいところが見られた。

 対策として、テキストの冒頭に「徒然草(つれづれぐさ)吉田兼好(よしだけんこう)作」のように注記をしたバージョンも作ってみたところ、作者名は正しく読むようになったが、徒然草は「つづれぐさ」と読み続けたので、完全ではないようだ。

 こうした不具合は今後解決されていくだろうが、現段階ではあえてそれを逆手にとり、間違いを生徒に見つけさせるような使い方もいいかもしれない。

ソースとして徒然草のようにな古文をそのまま読み込ませても、現代文と同様に処理することができるソースとして徒然草のようにな古文をそのまま読み込ませても、現代文と同様に処理することができる
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「徒然草」をソースとした場合、一部の漢字の読み方に問題があるものの、古文を解釈したうえで、その解説がポッドキャスト化された