その10日後、彼女からお詫びの手紙が届いた。これまで彼女自身が盗ったかもしれないと思うだけの金額が同封されていた。住所と電話番号と本名が書かれていることに彼女の誠実さを感じることができた。

ものが頻繁になくなりだした
私たちの店では、商品について、残りがいくつになったから、何をいくつ発注するなどと逐一把握している。だから在庫数が合わなくなると、何が盗られたのかがすぐにわかる。盗られた商品のコーナーを映す防犯カメラをチェックすると、犯人はすぐに突き止められる。
早く捕まえる
コンビニオーナーを30年もやると、万引きはつねにあるというわけではなく、1人現れたのを捕まえないかぎり、その1人がずっとやり続け、どんどんエスカレートしていく、ということがわかってくる。防止策はとにかく早く捕まえることしかないのだ。
何十回も捕まえてきた
小学生から80歳をすぎた老人まで、老いも若きも男も女も捕まえてきた。貧しい身なりの人も、ブランド物に身を包んだ人もいた。悲しいことだが、こういう人はしない、なんてことはないのだ。
万引きを繰り返した
万引きのほかに「内引き」(従業員による商品や金銭の着服)も何回か経験した。事務所内の事情に精通していなければできない所業なので、内引きは確実に見つかる。「この人なら」と決めて採用した人に裏切られるつらさと同時に、自分の「人を見る目のなさ」を思い知らされる。
リウマチになった
コンビニを始めてからリウマチになった。リウマチはあちこちが痛くなる病で、昨日は足を引きずっていたのに、今日は走っている、でもじつは肩が痛い…と痛みの場所が定まらない。肩や指先の痛みは周囲にわかってもらえず、「何をもたもたしているのか」となり、つらいことも。
二度とこんなことをしなくて済む
欲しいものを盗って店を出たとしても、あとからビデオチェックでバレ、後ろ指をさされることになるかもしれないし、ネット社会ではその行為が拡散されることだってある。万引きは「割に合わない」犯罪だということを知っていただきたい。