
千尋(中沢元紀)から
手紙を受け取った嵩(北村匠海)
その頃、嵩(北村匠海)は千尋(中沢元紀)からの手紙を受け取っていた。豪が戦死したと書いてあり、さらに、のぶのところに見合いが「降るように来ています」と報告。「兄貴の気持ちを伝えるなら急いだほうがええと思います」と助言が書いてあった。嵩にとっては、豪の戦死よりものぶが結婚するかもしれないことのほうが大きそうだ。
それにしても嵩はいつまでぐずぐずしているのか。のぶ宛ての手紙をさんざん悩んで書いてはみたものの、一通も出していなくて、健太郎(高橋文哉)を呆れさせる。
嵩が長いこともやもやしているとき、次郎が朝田家にやって来た。彼が大事にしているカメラで撮ったのぶの写真を焼いて持ってきたのだ。お見合いの日、庭で鳥の羽ばたきをのぶが見上げた瞬間の顔を撮ったもので、その表情がとてもすてきに撮られていた。
「いつの間に」とのぶは驚いていたが、あんなに隣でシャッター切っていたらさすがにわかるだろう。その瞬間はドラマでは映していなかったから、のぶのセリフは視聴者の気持ちであろう。
次郎はその写真を届けることを理由に、のぶに求婚に来たのだった。
結婚する気のなかった次郎だが、のぶの明るい笑顔に魅入られたという。
「生涯の伴侶になってくださいませんか」
折り目正しい次郎に、蘭子を除く朝田家の人々は好感触。だが、のぶは丁寧にお断りする。このときののぶの首は、第38回の蘭子との対峙のときよりしっかりしていて、揺るがない気持ちに説得力がある。
次郎は落胆もしつこくもしないで、「のぶさんの気持ちが変わるまで僕は待ちます」と潔く帰っていく。
なぜ、のぶはこの良さそうな縁談を断ったのか。