
「ちょっとお金が足りない」という時に、クレジットカードのキャッシングやカードローンといった形でお金を借りることがあります。借りた時には少額と思っていても、回数を重ねたり利息がついたりして気づけば返済総額が大きくなっていた……というケースは珍しくありません。定年まであと7年、子どもはまだ3歳という52歳男性が抱えていた借金は、気付けば400万円近く。思いがけない家計の危機に、妻が下した決断は……?(家計再生コンサルタント 横山光昭)
クレジットカードの借金、軽く見ないで
インフレの影響か、あるいは給与が上がらない影響か。最近、クレジットカードのキャッシングやカードローンの返済方法についての相談が増えてきました。当初は少額だったのに気がつけば膨らんでいたカード払いの借金は、家計のやりくりだけで返済しようとしても、金額が大きくなりすぎると難しいのが現実です。そのため、債務整理※も視野に入れた対応が望ましいケースも増えています。
キャッシュレス社会では、信用情報に傷が付き、クレジットカードが使えなくなることへの恐れも大きいものです。多くの方が何とか自力で返済したいと考えますが、無理な返済で生活が立ち行かなくなったり、将来への備えができなくなったりするようであれば、債務整理という選択肢も大切です。債権者には申し訳ない気持ちはありますが、無理な返済を続けることで、ご自身だけでなく、ご家族にまで苦しい思いをさせてしまう可能性もあります。
※債権整理…借金がふくらんで返せなくなってしまったとき、任意整理(返済額を下げる)、自己破産(債務の全額免除を認めてもらう)、個人再生(債務を大幅に減額してもらって、数年間の分割で支払い・返済する)などしてもらうこと。ただし、信用情報機関のブラックリストに登録されるなどのデメリットがある。