そんなわけで、「D」は、体内で生成することができないという定義からも、食品から摂取する必要があるという定義からも外れており、厳密にはビタミンとは呼べない。

 では、どう捉えるべきなのか。

「『Dホルモン』と捉えたほうが理解しやすいと思います。ホルモンは体内の臓器で作られ、血流によって目的の部位まで運ばれ、特定の生物学的な働きをする物質です」

 もう1点。「ビタミンDを摂り過ぎると高カルシウム血症になる」と指摘する医師がいますが、それは処方箋がなければ入手できない『活性型ビタミンD』の話。ビタミンDのサプリメント(活性型の前駆体=25ビタミンD)なら、2000IU(50㎍)を連日摂取しても高カルシウム血症にはならなかったというエビデンス(科学的根拠)もあります」

サプリなら過剰症にはならない
ビタミンらしからぬ特性とは?

 ビタミンは大きく水溶性と脂溶性に分けられる。水溶性ビタミンはその名の通り水に溶けやすく、必要量以上に摂り過ぎても、余計なものは尿として排出されるため、過剰症は起こりにくい。しかし脂溶性ビタミンは過剰に摂取すると排出されずに蓄積され、過剰症を引き起こす可能性がある。

 だがサプリなら、日本で浦島氏らが行った試験でも、米国ハーバード大学が行った試験でも、高カルシウム血症は起きなかったという。