「過去問」を解かずに勉強するのはもったいない
【高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格!】――しかも、首席合格とわずか3点差のほぼトップ合格!『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)の著者は、中学3年生のときに「東大合格」を宣言。高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格を目指したけれど……全国模試は「偏差値45」。そこで、徹底的に「国語」鍛えるという“大逆転の勉強法”を編み出す。勉強の大半を「読書に費やす」という常識外れの戦略で、全科目の成績が軒並みアップ! すべての科目は結局、国語の力がモノをいうことがわかった。コスパとタイパを徹底し、四コマ漫画や恋愛ゲームで楽しみながら学力を高める方法から勉強への合理的なモチベーションの高め方までを徹底指南。超★実践的な成績アップ法を初公開する。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

過去問を解く子は少数派
「志望校の過去問(過去に入試で出題された問題)を解いたことがありますか?」と中学受験を控えた小学6年生にアンケートを実施したことがあります。
小学6年生の春の段階だと、「解いたことがある」と回答したのは、わずか10人に1人。夏の初めの段階でも、「解いたことがある」と回答したのは4人に1人ほどに留まりました。
過去問をやらないのは、もったいない!
僕に言わせると、中学受験を控えた小学6年生が、過去問に目もくれないで勉強をしているのは、非常にもったいないです。
これは小学生のみならず、高校受験を控えた中学生、大学受験を控えた高校生にも、同じことがいえます。
「なぜ過去問を解かないの?」と訊ねてみると、だいたい「いまの実力で解けないとショックを受けてしまう」とか「過去問は、受験の準備が最終的に整い、仕上げの段階で実力をチェックするために解きたい」と言うのです。
過去問に向き合わない人への“警告話”
こうしたときに、僕が警告の意味でたとえ話として持ち出すのが、大半の日本人にとって未知のエチオピア料理「インジェラ」の話です。
あるテレビ番組で、「インジェラ」とは、「オフチョベットしたテフをマブガットしてリットする」ことでつくれる料理と紹介されて話題になりました。
正体不明の料理をつくれと言われたら?
そこで、もし次のような課題が出されたら、どうしますか?
課題にある「オフチョベット」「テフ」「マブガット」「リット」が、まるで見当がつかない以上、手も足も出ませんよね?
推測だけでは正解にたどり着けない
エチオピアはアフリカの国ですから、近隣諸国の料理を調べて、どんな料理か推測する手もあるでしょう。
あるいは、アフリカにはスパイス料理が多いという知識があるなら、アフリカで盛んに使われているスパイスについて調べる手もあります。
しかし、「インジェラ」が何かがまったくわからない以上、3カ月後に正解にたどり着いてインジェラをつくれる確率は、ほぼゼロでしょう。
種明かし:「インジェラ」とは?
ここで種明かしをしておくと、「インジェラ」とは“発酵させたクレープ”のようなもの。日本人にとってのご飯のような存在であり、エチオピアの国民食でもあります。
「テフ」は、イネ科の穀物。「オフチョベット」とは粉を挽ひくという意味、「マブガット」には練り合わせるという意味があります。最後の「リット」は発酵させること。つまり発酵させた生地をフライパンなどで焼くとクレープのようになるのです。
「過去問」とは“レシピ”である
この「インジェラ」のたとえ話から学べることは何でしょうか?
それは、「正体がわからないものを作ろうとしても、効率的に勉強ができない」ということです。
受験における「過去問」は、いわばその学校が出す“料理のレシピ”のようなもの。材料(知識)や、火加減(時間配分)、盛り付け方(解答の順序)など、入試には学校ごとに独特の“味付け”があります。
それを知らずに闇雲に勉強していては、せっかく時間と努力をかけても、出題者の意図に合わない“別の料理”を完成させてしまうかもしれません。
できなくてもいいから“やってみる”
ここで大事なのは、「過去問は解けなくてもいい」ということです。最初から全部解けなくて当然。むしろ、「どこが難しいか」「どんなパターンがあるか」に気づくことが目的なのです。
できない問題があったなら、「いまの自分には何が足りないのか」が見えてきます。それが、これからの学習を“的確にする”ための最強のヒントになります。
過去問は「自分だけの攻略マニュアル」
過去問は、志望校攻略の“カギ”です。早めに目を通しておけば、入試本番までの時間を何倍にも価値あるものに変えられます。
「過去問はまだ早い」と思っている人こそ、まずは“見てみる”だけでも構いません。そこから受験は、ぐっと“現実の手応え”をもって動き出します。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。