しかしこの難しさを乗り越えることが主観視スキルを伸ばし、メタ認知力を作る土台となります。
自分の内面を言葉にすることで、あいまいだった感情や思考が明確になり、自分のニーズを認識することで、自己理解が深まり、主観視がしっかりと理解できるようになるのです。
最初は難しいと思いますが「お礼や感謝の気持ち」を伝えることから始めます。感謝のアイメッセージは相手を肯定するため、比較的伝えやすく、相手も受け入れやすいからです。
<感謝のアイメッセージ>
「私に聞いてくれてありがとう」
「体調を気遣ってくれて、私は無理なく休むことができました」
「ありがとう。私は久しぶりに温かい気持ちになったよ」
「私もよくストレスが溜まるから聞いてくれて嬉しかった」
1日1回アイメッセージを使うことで、少しずつ自分の中で変化が生まれてくるはずです。慣れてきたら次に「お願いや依頼」を伝えてみましょう。自分の状況やニーズを伝えることで、より建設的な解決につながります。
<お願いや依頼のアイメッセージ>
「私は今、少し手が回らない状態なので、私に代わって〇〇を進めてくれると助かります。」
「私だけではこの案件は難しいので私に力を貸していただけませんか。」
「締め切りが迫っていて、私は少し不安を感じています。この部分だけ私にアドバイスをいただけますか?」
「このデータ分析について、私は自信が持てません。一緒に確認していただけると私は安心します。」
この後は、日常のさまざまな会話において、その他の感情や意見を少しずつ「私言葉」に置き換えてみたり、頭の中で主語に「私」を置くことを意識して言葉を組み立てていくことで、徐々にその感覚が身についてくるでしょう。
客観視スキルを伸ばすためのユーメッセージ
アイメッセージが「私」を主語にするのに対し、ユーメッセージは「あなた(You)または相手の名前」を主語にして、相手の行動や存在、あるいは状況や事実を伝えるコミュニケーション方法です。
これは、自分の主観や感情を入れずに、相手の行動や客観的な事実を冷静に伝える際に有効です。ユーメッセージは、客観視スキルを磨く上で非常に重要です。自分の感情や解釈を排し、事実を事実として相手に伝える練習になるからです。