リーダーの仕事を全うするためには、仕事上のリーダーという役割と年齢的な上下は分けて考えなければいけません。

 年上なので気を遣う、やりにくいという感情と、リーダーとしてのやるべき業務は別次元のものと、すっぱり割り切りましょう。

 メンバーに仕事を振る、ミッションを与える、などのアサインは、年上であっても他のメンバーと同等にします。

 その上で、コミュニケーションの部分に関しては、年上メンバーとしての敬意や気遣いを忘れないようにしましょう。

 基本スタイルは、「リスペクトする」です。若手のリーダーが年上のメンバーに接するときは、こういう対応をしておけば、まず間違いはありません。

年上に気分を害されては
仕事が立ちゆかなくなる

 こちらが年上メンバーに対していろいろな感情があるのと同様、相手もまた、年下のあなたに対していろいろな感情があるはずです。ポジティブな感情を持っている人は、ほとんどいないでしょう。

 そして、まだまだ発展途上の若手リーダーであるあなたよりも、相手のほうが、スキルも経験も豊富なはずです。

 ということは、年上メンバーに気分を害されてしまっては、この先リーダーとしての仕事が立ち行かなくなることもあり得ます。

 ですからとにかく丁寧に接し、気持ちよく仕事をしてもらいましょう。「すみません、いろいろと教えてください」と、素直に自身の力不足を認めて、頼りにしてしまうのも1つの手です。

 一方、年上メンバーに対しても遠慮することなく、他のメンバーと同じように接することができるリーダーもいます。しかし、彼らのほとんどは経験を重ね、マネジメントスキルも高いリーダーです。リーダーとして、自他ともに認めるほど十分な実績を積んでいるからこそのコミュニケーションスタイルともいえるでしょう。

 私自身も、年の差を気にすることなくコミュニケーションが取れるようになったのは、30代半ばくらいからでした。

 ただし、その場合も、横柄であったり、生意気であったりしてはいけません。年長者への礼節はわきまえた上で、リーダーとしての役割を全うする、ということが大切です。そこを見誤るとメンバーからの反発を生み、チームがうまくいかなくなります。