「自分の声が嫌いだった」原菜乃華が“ご機嫌な人間”を演じきるまでに起きたこと【朝ドラ『あんぱん』】第74回より

健太郎(高橋文哉)との関係は
これからどうなる?

 こうして変わっていく家族関係。気になるのは、健太郎(高橋文哉)との関係だ。嵩(北村匠海)の親友で御免与町に遊びに来て、メイコと知り合った。

 健太郎とメイコの関係を原さんはこう捉えている。

「似たもの同士で、だから少し心配になる感じのカップリングだなと思います(笑)。放送を見てくれている友達からも、あのふわふわしている者同士で大丈夫なのかな、やっていけるのかなと言われましたが、だからこそすごくフィーリングが合って居心地が良い関係なのかなと思っています」

 メイコは健太郎に一目惚れだったが、健太郎は恋愛モードにはならなかった。当初は漫画の、のらくろに似ていると言ってメイコを戸惑わせていた。

「のらくろは目のハイライトがなくて真っ黒で、無表情なキャラクターデザインが印象的でした。でも、犬だしオスだしと嵩にも突っ込まれていましたが、健太郎さんの考える『かわいい』が少しズレているところがよく出ているキャラのチョイスがさすがですよね」

CP補足:『あんぱん』の漫画指導の一人・山根青鬼先生(劇中漫画も描いている)が『のらくら』の作者・田河水泡先生の弟子で『のらくろ』も描いていて、脚本家の中園ミホがそこからのらくろをチョイスした。
「自分の声が嫌いだった」原菜乃華が“ご機嫌な人間”を演じきるまでに起きたこと【朝ドラ『あんぱん』】はら・なのか/俳優。2003年8月26日生まれ、東京都出身。映画『3月のライオン』(18年)、大河ドラマ『どうする家康』(23年)、『【推しの子】』(24年)などに出演。22年、新海誠の長編アニメーション映画『すずめの戸締まり』では主人公の岩戸鈴芽役の声優に、1700人を超えるオーディションから選ばれた。『ミステリと言う勿れ』(23年)で第47回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
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