「働きやすそうな職場」
好印象を抱いたワケ

 市場内の作業場に着くと、上の階の窓から僕たちを見つめている市場見学の方々の姿が見えました。僕は今日はじめて来たド素人ですが、作業着もばっちり着込んでいるので、もしかしたらあの人たちの目には僕の姿も豊洲市場の男として映っているんでしょうか? なんだか面白いです。

 現場担当の社員さんとごあいさつ。「タイミーさん」ではなく、ちゃんと僕の名前で呼んでくれるご陽気な感じの方でした。些細なことですが、「ここは働きやすそうだな。頑張ろう」と好印象を抱きます。

 作業場では僕以外にも社員さんや女性のパートさんなど全部で8人ほどが働いており、みんなで東南アジアの日本食レストラン向けに輸出する魚の発送作業を行います。まずは、それぞれのお店の発泡スチロール箱に注文された魚介類を仕分け・梱包する作業です。

「そこの発泡スチロール箱、ビニールから出して組み立てて」と社員さんに言われ、ガシガシ組み立てていく僕。魚屋さんに積んであるあの大きなサイズの発泡スチロール箱を十個単位で組み立てるのは、なかなか楽しいです。

 続いて、フロアにフォークリフト用のパレットを並べ、その上に発泡スチロール箱を並べていきます。パートさんが箱にお店の名前と番号をマジックで書き、それを受け取って僕が並べます。一通り並べ終わったら、魚を保冷するための銀色のアルミ魚袋をそれぞれの箱にセットしました。

 発泡スチロール箱の準備ができたら、次はいよいよ魚の仕分け作業。注文通り、間違いなく魚を入れなくてはいけません。社員さんが注文の書かれたリストをチェックし、「10番、ブリ5.1キロ」などと読み上げると、他の社員さんが準備された魚の中から該当するものをピックアップ。それを僕が受け取り、発泡スチロール箱のところにいるパートさんに手渡すという流れです。ブリや鯛、ヒラメなど大きな魚からちょっとした貝類まで、いろいろな魚介類を運びまくります。