下ネタが嫌がられる現代
それを突破したコント
さんまさんは“お笑い怪獣”といわれ、教養とは関係なく爆発していくタイプのすごい人です。それに対して、教養ベースの笑いもあるということです。いずれにせよ、お笑い芸人には「頭の回転が速い」という特徴があります。
また逆に、頭の回転がゆっくりで、言っていることがなんだか面白い、ふつうじゃないなというお笑い芸人もいます。頭の回転が速くて面白いタイプはツッコミ役、ちょっとズレたことを言って面白いのがボケ役です。人柄がよくて、ちょっとボケたことを言う人は、テレビでも人気がありますね。
私たちの高校時代は男子ばかりのクラスもありましたから、下ネタで爆笑が起きていましたが、今は下ネタで笑うこと自体を面白く感じない空気があります。
「M-1グランプリ」でも、勝負をかけて下ネタを持ってきたグループが沈没することがけっこうあります。下ネタで天下を取るのはなかなか難しいですが、どぶろっく(*注1)は『農夫と神様』という下ネタの歌で「キングオブコント2019」の王者になりました。
どぶろっくのコントを外国人に見せるユーチューブ動画があり、海外の人も爆笑していました。「本当に下品だ」と言いながら笑っています。
私はどぶろっくのコントが大好きで、番組も見て、ユーチューブも見て、お2人にお目にかかったときには、「最高ですね。ずっとチャレンジしてくださいね。応援しています」と声をかけたくらいのファンです。
なぜ、どぶろっくのコントがウケるかというと、歌がものすごくうまいからです。そして歌詞がいいストーリーで来ているのに「そこで、それかよ」というギャップ。
*注1 お笑いコンビ・ミュージシャン。森慎太郎(ツッコミ・ギター)、江口直人(ボケ・ネタ作成)、ともに1978年生まれ、佐賀県出身。保育園から大学まで同じ。2004年結成。「キングオブコント2019」王者。下ネタ中心の歌ネタ。