本当に成長著しい企業は、株主還元などせず、本業へ集中投資します。その方が将来的な利益成長につながり、中長期的には株主にとって好ましい結果をもたらすからです。

 株主還元は、事業が成熟し、新規事業や市場拡大の余地が小さいことの裏返しでもあるのです。成長著しい企業は、たとえ大企業でも無配か低配当を貫きます。

 以上見てきたように、日経平均4万円は現在の企業収益から判断すると、おおむね適正な範囲内であると言えます。単なる投機的な過熱ではなく、企業のファンダメンタルズに裏付けられた株価水準であるという考え方です。

 また、インフレの影響を加味した名目GDPで見ても、おおむね同じことが言えます。

 現在の株式市場がバブルであるかと言えば、筆者の答えはバブルでないとなります。