完成したカレーをさっそく試食。「お、うまい!」トマトの酸味が効いていて、かなり爽やかな風味です。今の季節にいいですね。実は豆カレーというものを初めて食しましたが、ホクホクとした食感が好きです。インドカレー屋さんに行ったときはいつもキーマカレーかバターチキンカレーを注文していたので、今度ダルカレーも食べてみようと思いました。辛さは「4」(4製品中最も辛い)になっていますが、そこまでガツンと来る感じではありません。辛いのが苦手という人も結構いけるのではないでしょうか。

白米にかけてみました「茶ひよこ豆マサラ」を白米にかけてみました Photo by A.T.

 ちなみにスズキのプレスリリースで白米にかけている写真が掲載されていたので私も白米を用意しましたが、ナンや食パンと一緒に食べても美味しいと思います。ルー自体がしっかりしているので、ご飯にかけるのではなく他のメニューと一緒に夕食のおかずとして食べるのもありですね。また、ベジタリアンでなければバターを加えたりソーセージなどをトッピングしたりするのもいいと思いました。レトルトカレーとしてはちょっとお高いですが、ぜひ食べてみてください。

【編集ヨシオカのひとこと:「日本のレトルトカレー」とは完全に別物!】
 スズキのレトルトカレー、ラインナップを見てうなりました。さすがスズキ、やるなあ~!

 「大根サンバル」「トマトレンズダール」「茶ひよこ豆マサラ」「青菜ムングダール」……なるほどこれは間違いなくベジタリアン向け、インド人向けのカレーばかりです。しかしメニューを見てもなじみのない言葉ばかりで何のことやら、という方が多いのではないでしょうか。

 大根サンバルには「インド南部」それ以外の3種類にはすべて「インド北部」と書かれています。「トマトレンズダール」のダールは豆の意味、レンズはレンズ豆。「茶ひよこ豆マサラ」も皮付きの茶ひよこ豆を使用。「青菜ムングダール」のムングはムング豆……つまり、4種類すべて豆のカレーということですね。

 肉を食べないベジタリアンにとって、豆は大切なタンパク質源。そのため、ベジタリアンが多いインドでは豆を使ったカレー(煮込み料理)が数え切れないほどあるのです。

 サンバルは南インドの代表的なカレーのようなスープのような料理。最近は日本でも大皿の上に複数のカレーやおかずを載せた定食スタイルの「ミールス」を出すお店が増えていますが、ミールスに欠かせないのが「ラッサム」と、この「サンバル」なのです。

 サンバルは(例外も多いので定義は難しいのですが)さらさらした豆カレーをベースに野菜を一緒に煮た豆野菜カレー。「味噌汁のような存在」と言われることも多いです。他のカレーやおかずと一緒に食べることが多いので、薄味でさらさら水っぽいのが特徴。レトルトカレーにするのは結構難しかったのではないかと思われます。
スズキの「大根サンバル」には豆と野菜がたっぷり。インドの長粒米、バスマティライスを合わせてみた Photo:Diamond Onlineスズキの「大根サンバル」はサラッサラで、豆と野菜がたっぷり入ったスパイシーなスープ。インドの長粒米、バスマティライスを炊いて(蒸して)合わせてみた Photo:DOL
 私も「大根サンバル」を実食してみました。大根とニンジンと豆がたっぷり入っていて、水気が多くてサラッサラ、タマリンドの酸味が効いています。これは南インド料理のレストランで出てきてもいいくらい本格的なお味!バスマティライスと最高に合います。ただし日本式カレーとは完全に別物なので、食べ慣れない人は苦手かも……。

 もう一つ言い添えると、これは日本のカレーライスのように深皿にごはんをよそって残りにレトルトの中身を出して一回の食事になる、というものではありません。ほかのカレーやおかずとともに楽しむのがどう考えても正解。

 あくまで私の推測ですが、おそらくこのスズキのインドカレーをもっともおいしく食べる方法は、2種類以上(できれば4種類全部)のレトルトを温めて、ごはんと一緒に盛り付け、ミールススタイルで提供することだろうと思います。一人分では済まなくなるので2~4人分同時に提供することになりますが。パッケージに書いてある「スズキ食堂」「インドめし」というのは、本当はそういう意味なのでは?……と思いました。
ミールスの例。このように数種類のカレーを並べ、その1つがサンバル、というのが本来の楽しみ方だと思います Photo:DOLミールスの例。このように数種類のカレーを並べ、その中の1つがサンバル、というのが、多分スズキのレトルトカレーをもっともおいしく食べる方法 Photo:DOL