諫:重装備のキャンプではなく、クルマからサッとアウトドア用の折りたたみ椅子を出して、好きな場所で自由気ままに座ってくつろぐ事をそう呼んでいます。わざわざ遠くに出かけなくても、近所の公園や河川敷で、椅子を広げられる場所ならどこでもOKという気軽さがウケているんです。
F:なるほど。椅子を広げて楽しむから「チェアリング」。

本田技研工業 統合地域本部 日本統括部 国内四輪営業部 商品企画課 主任 岡田優大さん(以下、岡):今まで「アウトドア」というと、本格的な道具をそろえて、入念に準備をして、基地みたいなテントを張って、というイメージだったのですが、コロナの頃から、また違う価値観が見えてきたんですね。あまり意気込まず、「ちょっと外に行こうか」と散歩に出かけるようなイメージです。
諫:さらに調べを進めていくと、そういうコテコテのアウトドア系を買ったからといって、その人がバリバリと外に出ているかというと、実はそうでもないことが分かってきました。なので、ガチキャンプの層を狙うのではなく、日常の中でユルくアウトドアを楽しむ方向を目指そう、ということになりました。タフネスさでバシっと武装したクルマではなく、我々は「程よいタフネス」な外観にしていこうぜ、と。
アウトドアに限らず「ガチ系」を好むのは50代以上?
F:世の中はそんなにガチガチのタフネスばかりではない、と。
岡:はい。実際にガチガチでやるのは、本当にごく一部の層ですから。
F:でもどうでしょう。別にガチガチのキャンプには行かないけれど、道具だけはガチガチ系が欲しいと思わないのかな。1000メートルも潜らないけれど、本格的なダイバーズウォッチはファッションとして欲しい、というような感覚ってありますよね。