
石油元売り大手3社の臨時報告書を基に、長期連載『エネルギー動乱』の本稿では3社の取締役27人の再任・新任賛成率をランキングにした。一昨年までトップの不祥事が続いたENEOSホールディングスの経営陣、出光興産の新社長、資本提携先の岩谷産業の推薦でコスモエネルギーホールディングスの取締役となっている関西電力元社長らの賛成率は?(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
1位は出光興産社外取締役で
リクルート役員の柏村美生氏
石油元売り大手3社は売上高順に、ENEOSホールディングス(HD)、出光興産、コスモエネルギーホールディングス(HD)。業界再編はほぼ終わり、よほどのことが起きない限り、この序列は不変なものとなった。
業界トップのENEOS HDは経営トップの2代続けてのセクハラ辞任・解任により、非主流派だった旧東燃ゼネラル石油出身の宮田知秀氏に社長の座が回り、昨春から社内の権力構造が一変している。宮田氏については、不祥事の温床ともいわれた「旧日本石油文化」を壊す“救世主″役を期待する向きがあった。だが社長就任から1年が過ぎ、「社内の評判はあまり良くない」(元東燃社員)との評も漏れ聞こえてくる。
業界2位の出光興産は4月、新社長に酒井則明氏、新会長にこれまで社長だった木藤俊一氏が就き、新体制で初の定時株主総会だった。
業界3位のコスモエネルギーHDは岩谷産業の持分法適用関連会社となって2回目の定時株主総会だった。非執行の取締役には、岩谷産業の推薦で元関西電力社長の岩根茂樹氏がいる。岩根氏といえば、原子力発電所の立地関係者から関電経営陣が小判を受け取っていた「小判事件」をめぐり、関電社長を引責辞任した人物だ。
ダイヤモンド編集部は6月の各社定時株主総会後に開示された臨時報告書を基に、3社の候補者計27人の再任・新任賛成率をランキングにした。
一部を紹介すると、賛成率1位は出光興産の社外取締役、柏村美生氏(リクルート常務執行役員)で99.6%。なお、2024年のランキング(24年7月5日配信『石油元売り大手3社の取締役29人「再任・新任賛成率」ランキング!ENEOSの非主流派出身社長は何位?【株主総会2024】』)では、当時他2社と比べてゴタゴタ感が少なかった出光興産勢が賛成率上位に目立ったが、今回のランキングでは3社の取締役が入り乱れる結果となった。
ENEOS HD社長の宮田氏、出光興産の新社長の酒井氏、コスモエネルギーHD取締役の岩根氏など、各社のキーパーソンたちは何位だったか?