
「学生が集まらずに、学費も集まらない→学生と教育の質が下がる→学生も学費もさらに集まらなくなる」という負のスパイラルにより、歯学部あるいは大学そのものの廃止はあるのか。連載『教育・受験 最前線』では、全国歯学部の実力と経営にランキングで切り込む「歯学部ランキング」を複数回にわたってお届けする。第5回は全国私立17歯学部を対象に、「淘汰危険度」ランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
薬学部では「淘汰危険度」上位が募集停止
歯学部でも同じことが起こるのか?
歯科医師過剰の時代が続き、歯学部は受験人気が低迷している。定員を埋められないところは、入学する学生の質が下がりやすい。学費が集まらずに赤字経営に陥ると、教育の質を維持することが困難になる。すでに多くの歯学部において、留年・休学率が高く、歯科医師国家試験に入学後6年間のストレートで合格する割合が低い状況になっている、
こうした惨状は、本連載の歯学部ランキング1~4でもレポートしている(下記参照)。
歯学部「入学定員割れ」ワーストランキング【全国私立17歯学部】2位は鶴見大学、1位は?歯科医師不足懸念で入りやすい歯学部は“狙い目”か
歯学部「国家試験ストレート合格率」ランキング【全国私立17歯学部】2位昭和医科、3位日本歯科、“意外”な4位と5位は?
歯学部「留年・休学率が高い大学」ランキング【全国私立17歯学部】4位神奈川歯科大、3位鶴見大、1位と2位は?
歯学部「稼げない大学」ワーストランキング【歯学部を持つ私立15学校法人】稼げる1・2位は明海大と朝日大が“ダントツ”のなぜ、稼げない1位は?
ダイヤモンド編集部ではさらに今回、歯科医師を養成する実力と経営状況から私立歯学部の「淘汰危険度」ランキングを作成した。
薬学部の淘汰危険度ランキングでは、上位に入った大学が薬学部の募集を停止する事態になっている(『薬学部「淘汰危険度」ランキング【全国私立57薬学部】3位の千葉科学大学は事業譲渡、2位の大学は募集停止、1位は?』参照)。「学生が集まらずに、学費も集まらない→学生と教育の質が下がる→学生も学費もさらに集まらなくなる」という負のスパイラルにより、歯学部でも学部あるいは大学そのものを廃止する展開へ進むのか。
次ページでは、私立17歯学部「淘汰危険度」ランキングを一挙公開するとともに、今後の展開を徹底検証する。