3.距離
……相手と対面したほうがいいのか、メールや手紙ですませたほうがいいのか。
「遠方だから」という理由で、いつもメールですませる人と、「わずか15分の打合せ」でも、新幹線に乗り込む営業マンでは、どちらが感動を与えられるでしょうか。答えは、明白です。
仕事でミスをして「謝罪」するとき、メールや電話ですまそうとするのは、いただけません。「相手のもとへ出向いて顔を見せる」のが謝罪の基本。相手が遠方にいても、きちんと出向くのが正解です。
4.重さ
……手みやげ(食事)は、どれくらいの大きさ(重さ)だと喜ばれるのか。
どうして私は、手みやげに「おまんじゅう」を選ぶのでしょう?それは「持ったときの重さ」と「もらった相手の喜び」が比例することがわかっているからです。
また、手みやげの「量」も重要です。
いくらいいものを贈っても、数が足りなかったり、多すぎたりすれば、かえって相手に迷惑をかけます。
●「相手の人数プラスα」
になるくらいの数を用意するのが正解です。
5.言葉
……どのような言い回しをすれば、相手は喜ぶ(不機嫌にならない)のか。
たとえば、敬語の使い方。
二重敬語(「おっしゃられる」など、敬語を二重に使った言い回し)は間違いだといわれていますが、敬う気持ちが十分に伝わっているならば、二重敬語も時には「正解」となります。
また、言葉を「置き換える」ことで、自分の思いを強く相手に印象づけることもできます。アドバイスをくれた相手に対して、
●「今日はお世話になりました」
とお礼を言っても、間違いではありません。ですが、
●「今日は勉強させていただきました」
と言い換えたほうが、「自分に成長意欲がある」ことを表現できるのです。
「気配り」とは、集約すると、以上の「5つの要素」から成り立っています。
このことがわかっていると、どのようなシーンに遭遇しても、あわてずに対処できるでしょう。
この5つの要素をどのように「実践的気配り」に結びつけていくか。その具体例は、本連載の「最終回」でご紹介します。
次回は7月9日更新予定です。
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■挨拶■ほめ方■お礼(手みやげ)■反論
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後田良輔(うしろだ・りょうすけ)
大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。これらの顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」で飛び込み営業成功率72.6%、累計30億円以上の商談にも成功。著書に、中国、台湾でも翻訳された『ぶっちぎり理論38』など。