一般的なビジネスマナーを学んでも、「仕事の現場」では使えないことがある。マナーは、あいまいな表現で終わることが多く、「具体的・実践的」ではないからだ。
本連載では、大手3大広告代理店の現役サラリーマンであり、このたび『気配りの正解』を発刊した後田良輔氏が、自らの失敗を通して学び得た「実践的な気配り」、すなわち「気配りの正解」を紹介する。
第1回は、「一般的なマナー」と「3秒でできる実践的気配り」の違いについて解説する。

気配りとは、相手に
居心地のよさを提供するやさしさ

 ここだけの話、こんな経験をしたことはありませんか?

●相手を思ってやったことなのに、なぜか注意を受けた
●謝罪しようと思い「メール」を送ったら、さらに怒りを買った
●PTAの集まりで他の子をほめたら、親御さんに嫌な顔をされた
●飲み会で先輩に気をつかったはずなのに、常識知らずと笑われた
●フェイスブックやツイッターの発言で失敗し、SNSが怖くなった
●「空気が読めないヤツ」と言われてしまった……

 ひとつでも心当たりのある人は、要注意。もしかしたら、「気配り」が足りていないかもしれません。
 人間関係を気まずくする原因は、突き詰めると、「たったひとつしかない」と私は思います。それは……、

「気配り」が身についていないこと、です。

「気配り」には、「あれこれ気を使うこと」「手抜かりがないように注意すること」「心づかい」「配慮」など、さまざまな解釈があると思いますが、私は、

「相手に居心地のよさを提供するやさしさ」

 だと考えています。

 では、「気配り」が身についていないと、どうなるのでしょうか?

 まず、ひとりよがりな振る舞いをしてしまい、まわりに不快感を与えます。そして、相手から煙たがられてしまったり、信用を失ってしまうのです。

 一方で、「気配り」が身についている人は、相手を喜ばしたり、「居心地のよさ」を与えたりすることができます。
 その結果、

●「あの人と一緒にいたい」
●「あの人を応援したい」

 と好意・好感を寄せていただけるのです。