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複合機・プリンター業界はペーパーレス化の逆風下にあるが、各社はカメラや医療、半導体材料、デジタルサービスといった複合機以外の成長分野を伸ばし、収益構造の転換を急いでいる。今回は変革期にあるキヤノン、富士フイルムホールディングス、リコーを取り上げる。3社の中で、世代間の「年収格差」はどうなっているのか。特集『5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?』(全39回)の#19では、過去20年間の推移を10年刻みにして、5世代別の平均年収と主要100社内ランクを独自に試算した。その結果、キヤノンとリコーは65歳のOBが優位だった一方、富士フイルムだけは若手が「勝ち組」となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
複合機の逆風下で稼ぐ場所は変わった
3社の収益構造は様変わり
複合機、プリンターを取り巻く環境は厳しい。キヤノンは2025年12月期決算でプリンター事業が減収となったが、カメラやメディカル事業の成長が全体をけん引し、純利益は前期の2倍以上に拡大した。26年12月期も増収増益を見込んでおり、最大2000億円の自社株買いの実施も表明している。
富士フイルムホールディングス(HD)も25年4~12月期は過去最高の売上高と純利益を更新した。事務機などを担うビジネスイノベーション事業が苦戦する一方で、デジタルカメラや生成AI向け需要が拡大する半導体材料などが収益を大きく押し上げている。
リコーもデジタルサービスを主役とする構造転換が進み、同期の営業利益は前年同期の約2倍へと急回復した。国内企業向けのDX(デジタルトランスフォーメーション)支援サービスなどが伸びているほか、東芝テックとの合弁会社エトリアにOKIが参画するなど、事務機の開発・生産体制の再編と効率化を急ピッチで進めている。
3社は同じ複合機・プリンター企業に見えても、実際には「何で稼ぎ、どこを伸ばし、どこを縮めるか」が異なっている。もっとも、足元の業績だけで、社員の処遇が世代横並びで改善するとは限らない。むしろ「どの局面で会社にいたか」「どの賃金カーブ・評価制度に乗ったか」によって、同じ会社の中でも「得をした世代」と「割を食った世代」が生まれる。
今回はキヤノン、富士フイルムHD、リコーを取り上げる。3社の中で、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたのか。ダイヤモンド編集部は、過去20年間を10年刻みにして、「5世代の年収」と「主要100社内ランク」の推移を独自に試算した。
対象としたのは、2000年代から現在までの、20~50代の現役世代から、60~70代のOB世代まで。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収序列は高かったのか」。これらを徹底検証し、47項目のデータとして残酷なまでの格差をあぶり出した。
試算の結果、キヤノンとリコーはOB世代が優位だった。一方、富士フイルムHDは若手社員が上位となり、3社で「勝ち組」「負け組」の構図は大きく分かれた。次ページでその詳細を確認しよう。







