自分と真逆の人と一緒に
働いてみたかった
妻の故郷である熊本への移住を考え始めたのは、仙台に来て3年目の頃だ。
「理由としては、30代になる前に何か新しいことに挑戦したい気持ちが芽生えていたことがひとつ。それから、第一子を授かったため、妻の実家の近くにいれば育児面でサポートを受けられるのではないかという期待がありました」
中村さんの場合、毎日の仕事もさることながら、月の半分以上の週末を審判員の活動に割いている状況であったから尚更である。
とはいえ、不安がなかったわけではない。上場企業を退職するというのはやはり一大決心だ。
「札幌の両親も、反対こそしなかったですけど、さすがにびっくりしていました。ただ、トイメディカルという会社に出合えたことで、熊本で新たな挑戦をしたいという気持ちがどんどん強くなっていったんです」
転職エージェントを通して知ったトイメディカルは、当時10名強の小さな会社だったが、塩分オフセット技術で特許を取得していて、経営基盤と将来性は文句なし。むしろ、これからの成長の一翼を担うことに、中村さんは並々ならぬロマンを掻き立てられたという。
「トイメディカルの社長は、いわゆる研究者肌で、営業一筋の僕とはまったく異なる人種です。せっかくスタートアップという社長との距離が近い環境で働くなら、自分と真逆の人と一緒にやりたいと強く感じました」
さらには面談の際、その社長から「もしうちに入社しなくても、熊本で働くんだったらまた食事でも行こうよ」との温かい言葉をもらったことが、熊本移住を決定的なものにする。
「こういう人の下で自分の営業スキルを発揮したいと、心から思えたんです。ただ、九州というはるか遠方に移り住むことに対しては、後になって両親から『本当はあの時、寂しかったのよ』と何度も言われましたけどね(苦笑)」
ともあれ、こうして2023年の春、中村さんの熊本移住とトイメディカル入社は実現した。







