地銀再編サバイバル 売れ残り回避の最終戦#13Photo:Iana Miroshnichenko/gettyimages

金利上昇で地方銀行の収益環境が好転する一方、再編の舞台では「相手を選べる銀行」と「選択肢を失う銀行」の二極化が鮮明になっている。ダイヤモンド編集部は、最新の2026年3月期決算を基に全95行の実力を点数化し、「地銀再編番付2026」を作成した。長期連載『金融インサイド』内の特集『地銀再編サバイバル 売れ残り回避の最終戦』の#13では、地銀のコスト防衛力を測る経費率ランキングの下位47行を公開する。サイバー対策の高度化やインフレの荒波を吸収できず、コスト高で将来への投資余力を失いかねない「再編待ったなし」の下位地銀が抱える構造的弱みを解き明かす。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

必要経費が膨らむ地銀経営
経費率が高いほど苦境に

 金利のある世界は、全ての地方銀行にとって追い風となるわけではない。とりわけ苦境に立たされるのが、OHR(経費率)の高い地銀だ。

 経費率は、経費を業務粗利益で割って算出する。分母に国債等債券関係損益を除いたコア業務粗利益を用いる場合は「コアOHR」と呼ばれる。数値が高いほど粗利益に対する経費負担が重く、コスト増への耐性が低いことを示す。

 本特集#9で触れた通り、金融庁も、地銀の持続可能性を見極める指標の一つとして経費率を重視している。地銀の必要経費は膨らむ一方だからだ。

 足元では、サイバーセキュリティーやマネーロンダリング対策の負担が増している。加えて、インフレによる物件費の上昇も重くのしかかる。特に中小地銀は人材確保が難しく、賃上げへの対応も避けられない。

 こうした環境では、経費率の高い地銀ほどコスト増が収益を圧迫し、投資余力も乏しくなる。金利と物価が上昇する中、地銀が単独で生き残るハードルは一段と高まっているのだ。

 そこでダイヤモンド編集部は、最新の2026年3月期決算を基に、地銀95行の経費率ランキングを作成した。

 次ページでは、95行のうち経費率が高い下位47行を公開する。コスト防衛力の低い地銀の顔触れからは、各行の経営課題だけでなく、今後の地銀再編で引き受け手が直面する難題も浮かび上がる。