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金利上昇で地方銀行の収益環境が好転する一方、再編の舞台では「相手を選べる銀行」と「選択肢を失う銀行」の二極化が鮮明になっている。ダイヤモンド編集部は、最新の2026年3月期決算を基に全95行の実力を点数化し、「地銀再編番付2026」を作成した。長期連載『金融インサイド』内の特集『地銀再編サバイバル 売れ残り回避の最終戦』の#12では、地銀のコスト防衛力を測る経費率ランキングの上位48行を公開する。サイバーセキュリティー対策など収益拡大に直結しにくい「守りのコスト」に加え、インフレに伴う人件費・物件費の上昇も重荷となる中、盤石の経営体質で投資余力を残す“強者地銀”の全貌に迫る。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
ファンドと金融庁が注視する経費率
コスト増に耐えられる銀行は?
金利とインフレが戻った銀行業界で、注目度が急速に高まっている指標がある。OHR(経費率)だ。
経費率は、経費を業務粗利益で割って算出する。国債等債券関係損益を除くコア業務粗利益を分母に用いる場合は、コアOHRと呼ばれる。数値が低いほど、粗利益に対する経費負担が軽く、コスト防衛力が高いことを示す。
本特集#2で触れた通り、地方銀行株を中心に投資するファンド、ありあけキャピタルの田中克典代表も、地銀再編のあるべき姿について「経営統合による規模拡大は、それ自体が目的ではない。経費率を下げ、投資余力を高め、資本効率を向上させて、企業価値向上につながって初めて意味を持つ」と指摘する。
金融庁も、経費率の高さを持続可能性に乏しい地銀を見極める要素の一つと捉えている。つまり、ファンドも当局も、地銀の将来性を測る上で経費率を重視しているのだ。
経費率の意義が増している理由は、大きく二つある。
一つは、守りのコストが膨らんでいることだ。サイバーセキュリティーやマネーロンダリング対策にかかる負担は年々重くなっている。南都銀行の石田諭頭取も「サイバーセキュリティーを含むシステム関連投資は今後も絶対に減らず、AIの影響で高度化していく」と危機感を示す(本特集#5『奈良県唯一の地銀・南都銀行の石田頭取が言及、他行との経営統合も「地域のためなら選択肢」…“1エリア1グループ時代”に求められる地銀の役割とは』を参照)。
もう一つは、インフレ下で人件費や物件費が上昇していることだ。地銀の多くは人手不足に直面しており、人材確保のための賃上げも避けられない。店舗維持やシステム運営にかかる費用も上がる。こうした環境では、経費率が高い地銀ほどコスト上昇が収益を圧迫し、将来投資に回す余力も乏しくなりやすい。
そこでダイヤモンド編集部は、最新の2026年3月期決算を基に、地銀95行の経費率ランキングを作成した。
次ページでは、地銀95行のうち経費率が低い順に上位48行を公開する。利ざやの拡大だけでなく、コストを抑えながら粗利益を稼ぎ続けられる、コスト防衛力の高い地銀を明らかにする。







