清涼飲料「ポカリスエット」などで有名な大塚ホールディングスは、2014年度に業績がピークを迎え、その後は急落すると予測されている。大型医薬品の特許切れがその背景にある。

 大塚ホールディングス(HD)をよく知る業界関係者ほど、ある“主力製品”が抱える事情から「好業績は続かない」とし、2014年度がピークになると予測する。

 大塚HDは大塚製薬や大塚食品、大鵬薬品工業などの大塚グループ157社を束ねる持ち株会社だ。08年7月に設立されて以降、業績は右肩上がりで推移。13年度の売上高は前年度比12.5%増の1兆3700億円、営業利益は同20.8%増の2050億円を見込む(図(1))。

 この好業績は、大塚グループ最大の主力製品が牽引してきた。その主力製品とは何なのか。

 知名度が高いロングセラー商品はいくつもある。名前が挙がりやすいのは、清涼飲料「ポカリスエット」、炭酸飲料「オロナミンC」、栄養調整食品「カロリーメイト」、レトルト食品「ボンカレー」などだろう。一般的には、機能性食品のメーカーというイメージが強いが、実は大塚HDは医療用医薬品がメインの会社である。

 売上高の69.9%を医療関連事業が占める。機能性食品を中心とするニュートラシューティカルズ(NC)関連事業は20.7%、ボンカレーなどの消費者関連事業は3.9%にすぎない(図(2))。

 事業セグメント別に営業利益(内部取引などを含む)を見ると、医療関連事業は1879億円。利益全体(内部取引などを含む単純合算)の89.1%を同事業が生み出している。NC関連事業の営業利益は214億円、消費者関連事業は24億円の営業赤字だ。