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国内発売予定がない「ニンテンドー2DS」は
任天堂海外市場の救世主になる!?

石島照代 [ジャーナリスト],小山友介 [芝浦工業大学システム理工学部教授]
【第40回】 2013年9月3日
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 ここで「ポケットモンスター」シリーズについて簡単におさらいしておこう。第1作は1996年発売。シリーズ全作の全世界売上総本数が1億7200万本を超える、株式会社ポケモンのゲームソフトである。「ピカチュウ」に代表される誰にも親しみやすいモンスターを、昆虫採集感覚で集めて育て、友だちと対戦や交換をしながら遊ぶロールプレイングゲームで、現在6バージョンのシリーズを中心に様々なスピンオフタイトルも発売されている。

 ポケモンの特徴は、一度のリリースで複数の種類のソフトが発売されることにある。たとえば、表にある「ダイヤモンド・パール」とは、「ポケモン ダイヤモンド」と「ポケモン パール」の2種類が発売されていることを示している。親が子どもに買い与えるのはどちらか一方であることが多いので、子どもは自分が持っていない種類を買った子や親と交流しながら遊ぶことになる。

 また任天堂は株式会社ポケモンの大株主であるため、任天堂以外の同業他社ハードから「ポケモン」のゲームが出ることは、まず有り得ないと考えていいだろう。このように、世界で最も売れたコンシューマーゲームである任天堂のマリオシリーズ(2億1000万本以上)と双璧をなす1億7200万本以上の売上記録を持つポケモンシリーズは、任天堂の経営戦略上、極めて重要な位置を占めているのだ。

 3DSが2011年2月に発売されてから、ポケモン関連ソフトは、「スーパーポケモンスクランブル」(3DS用、2011年発売)、「ポケットモンスター ブラック2・ホワイト2」(DS用、2012年6月発売)、「ポケモン不思議のダンジョン マグナゲートと∞迷宮」(3DS用、2012年11月発売)の3本が発売されている。

 そのうち、3DS発売前の2010年に発売され1534万本が売れた「ポケットモンスター ブラック・ホワイト」の続編に当たる「ブラック2・ホワイト2」は全世界で781万本を売り上げているが、対応ハードは前世代機の「ニンテンドーDS」であることに注意が必要だ。3DS用の「スクランブル」は全世界でやっと126万本、「ダンジョン マグナゲート」にいたっては104万本と、ようやくミリオンを越えた状況だ。

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

小山友介
[芝浦工業大学システム理工学部教授]

1973年生まれ。芝浦工業大学システム理工学部教授。2002年京都大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。東京工業大学助教等を経て現職。東工大時代に経済シミュレーション研究に従事、そこで学んだコンピュータサイエンスの知識を生かしてゲーム産業研究を行なう。専門はゲーム産業を中心としたコンテンツ産業論と社会情報学。2016年6月末に『日本デジタルゲーム産業史』 (人文書院)を刊行。

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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