美談よりも失敗談に
「その人」が出る

 これを読んでいる皆さんもご存じの通り、人の真価とは、
「弱さと向き合うとき」「失敗や困難と向き合っているとき」に出るものだ。

 こじつけや盛ることで語られる武勇伝や美談には、採用側はたいして興味を持っていない。そんなことよりも、きみが、自分なりに学生時代を懸命に生きてきたかどうか。
 失敗やみっともない経験も含め、自分なりの「一生懸命」はあるか。
 何かひとつでもあるなら、絶対に大丈夫だ。

思い出したくない経験ほど、
武器になる

 大学生活や、高校以前の経験でもそう。
 彼らがした挫折や失敗、そして、それらを引き起こす原因となる「弱み」とどう向き合ってきたか。

挫折や失敗から「どれだけのことを学べたか(量と質)」こそがアピールになる。自分の弱みと「どれだけ向き合い、改善に努めたか」こそがアピールになる。
 これを忘れないでほしい。

 たとえば、以下のような経験を話して、内定をもらった学生がいる。

・自分のリーダーとしての傲慢さから、
アカペラサークルのメンバーを一斉に辞めさせてしまったBくん

・学生団体の協賛営業担当になったのに、まったく成果が出ずに団体を解散の危機に追いつめてしまったTさん
・人見知りでプライドが高いのが原因で、
チームで活動をするのが怖くてずっとひとりぼっちだったHくん

・ボランティアブームに乗って、アフリカにボランティアに行ったものの、
想像を超える貧困の現実に愕然としてしまい、自分の無力感から学生生活を呆然とすごしてしまったNさん

・司法試験に失敗して、既卒ながら新卒採用に挑戦したDくん
・中高大とエスカレーターで上がってきて、大きな挫折なく生きてきたが、
はじめて就職活動で失敗をしたKくん

 みんな、その挫折や失敗、自身の弱さと向き合った結果、自己を成長させることができた。
 そして、率直に失敗を語り、難関企業に内定をしていった。