【技法2】
スクラップ式読書ノート

 簡単に記録を残すには、「書いてつくる」読書ノートだけでなく、「貼ってつくる」読書ノートもあります。たとえば、次のような「その本にまつわるもの」を集めて、感想などのメモと合わせて収録しておくという方法です。

●帯
ノートに貼れるサイズに切った上で貼っておく。帯には、本の内容を表したキャッチコピーが書かれているほか、著者の顔写真などもあるので、印象的な読書ノートがつくれる。

●補充カード
 タイトル、著者名、出版社名が入っているので、書誌データを書く手間が省ける。

●しおり
 文庫や新書にレーベル独自のものが挟まっている。タイトルを書き込んでから貼っておくと目立つ。

●その他
 挟み込んである広告、解説リーフレットなど、関係のあるところを切り抜いて貼る。

 他にも、旅先で本を買ったときには、その書店のショップカードを貼ったり、手提げ袋の「名入れテープ」をはがして貼ったりすることもあります。こうしておくと、どこでどんなふうに買ったかが、あとでよくわかるからです。

 こういった「記念品」があると、買ってから読み終わるまでの読書体験を残しておくことができます。旅行中に読んだのなら、読んだ場所のシチュエーションの記録として、新幹線や飛行機の切符を貼っておくのもいいでしょう。

 そうすることで、本の内容も記憶に残りやすくなります。家で見たビデオより、映画館で観た映画の方が印象に残るのに似ているかもしれません。このように、あらゆるものを使って「本との付き合い」をノートに残す。そうすると、読書体験は頭の中により深く刻まれ、何かの拍子に思い出したり、内容について再考したりする機会も増えてくる。つまり、本を血肉にできてくるのです。