買い取り価格の見直しこそ
求められているFIT改革

 消費者負担額を減らすには、買取総額見込額を引き下げるしかないのだ。それこそが今求められているFIT改革である。

 現在、回避可能費用の算定方法は、河野議員や自然エネルギー財団が書いているように、「水力発電、原子力発電、火力発電などのすべての電源の運転コストを足して、総発電量で割った金額」、即ち「全電源平均運転単価」を基にしている。

 それは、この算定方法が最も簡便かつ公平と判断されたからであろう。実務的なことを考えると、再生エネで発電された電気を買う時にどの発電所を止めるかを逐一チェックすることは大変だし、刻々と変動する卸電力価格をフォローするのも相当な手間がかかる。

 今回の河野議員や自然エネルギー財団の問題提起は、回避可能費用の算定方法について、より精確性を求めようとするもので、その限りでは理解できる主張だ。どのような制度も、実務的な効率性や合理性を考慮しながら施行していくべきであり、どこまで精確な運用が可能なのかを不断に検討していくことは重要だからだ。本件の回避可能費用の在り方に関しては、例えば卸電力価格方式も選択肢になり得る。

 とはいえ、そもそも再生エネの導入拡大をどこまで本当に求めるかについても、真剣に検討されるべきだ。根本的な問題として、再生エネは不安定、小規模、高コストな電源なのである。

ドイツを“倣わず”に“習え”
消費者負担額低減を議論すべき

 東日本大震災による福島原発事故以来、再生エネがあたかも原子力や火力の代替となり得るかのような夢想的論調が罷り通っているように思えてならない。さながら“再生エネ神話”のようだ。

 自然エネルギー財団のレポートでは、『経済合理性の観点からすれば、電力会社は、自然エネルギー電力を買い取った時に、代わりに運転単価の高い石油火力を減らしたほうがよい。このことから、短期的には石油火力の運転単価を回避可能費用単価として採用するのが合理的であるといえる』というが、再生エネが安定的な電源ならば、火力のなかでも高価な石油火力をわざわざ再生エネのバックアップ用に維持する必要はない。コスト合理的な蓄電機能が出現すれば話は変わってくるだろうが、そうでもない限り、再生エネが火力や原子力に取って代わることは想定できない。

 自然エネルギー財団が回避可能費用の変更を主張しているのは、再生エネ賦課金を小さくすることで消費者負担額を小さくするように見せて、再生エネのイメージアップを狙ったものと推察する。自然エネルギー財団の立場からすれば、当然の主張であろう。

 だが、式(☆☆)で明らかなように、回避可能費用をどのように変更しようとも、再生エネに係る消費者負担額は変わらない。