それでもトータルで見れば、スマホではiPhoneが人気のため、アンドロイド端末があおりを受け、「iPhoneの次に売れたのが、従来型携帯だった」(ドコモ幹部)というありさまだ。

 結果として、「市場全体が思ったよりも伸びず、正直、目標達成は苦しい」(鳥塚滋人販売部長)といい、スマホの年間販売1600万台の達成は厳しそうだ。

 そうした状況で、売れるかどうかもわからないもので勝負に出ることはできないとなったわけだ。

 とはいえ、新聞紙上では、13年12月の契約数が「iPhone効果で2年ぶり、純増トップ」と、ドコモの好調ぶりを伝える文字が躍る。

 ところが、これにはカラクリがある。本誌調査によると、新規契約数から解約数を除いた「純増数」約28万件のうち、およそ15万件が“水増し”とみられる。

 この件数は、ドコモの通信網を借りて格安の通信サービスを行う、イオンやNTTコミュニケーションズ(OCN)などのMVNO(仮想移動体通信事業者)の純増数である。

もうやめられない
「月々サポート」で
起動した“時限爆弾”

 そもそもドコモがiPhoneを導入した理由は、顧客流出が止まらないことにあった。

 10年にソフトバンクがiPhone4を発売してから潮目が変わり、11年にKDDI(au)までもが導入したことで、ドコモからの流出は決定的となった。

 電話番号をそのままにキャリアを乗り換える制度(MNP)を利用して、他キャリアに移った客は、06年の制度開始後、これまでに累計で約580万人に達する。

 契約者シェアで見ても、ソフトバンク参入後、ドコモは40%台まで落ち込んだ。MNPの流出顧客が月額7000円払っているとすれば、年間約5000億円の減収になる計算で、結果、ドコモの収益性を示す営業キャッシュフローは、明らかに細っている。