単独では資産の効率が
悪く見えるキリンだが……

経太 キリンの売上高は9,356億円に対してキリンは総額1兆5,125億円の資産を使っています。売上高が総資産の62%にしかなりません。アサヒは107%です。売上げをあげるための資産の効率という点では、キリンはずいぶん効率がわるいと思うのですが。

先生 ほう、よいところを突いてきたね。経太くんの言った「売上高を総資産で割ったもの」を「使用総資本回転率」という。つまり使用した資産が1年間で売上げとして何回転するかということで、経営効率を見るひとつの指標なのだ。

資本回転率×売上高利益率=使用総資本利益率

という関係が成り立つ。つまり使用総資本の効率をあげるためには売上高利益率だけでなく資本の回転率を上げるとよい、ということになる。

しかし、本当の資本の効率を見ようと思ったら、会社の単独の売上げ、損益や貸借対照表を見るだけでは不十分だ。
つまり、キリンのように外部に多くの投資をしている場合には単独でなく、関連会社を総合した連結決算を見る必要がある。
この次には、連結決算の意識とそのメカニズムを考えることにしよう。

(次回更新は3月18日です)


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