いわゆるインターネットの視聴率を調査するニールセン・ネットマーケティングが7月初め、2人の大統領候補のウェブ上のアピールについて興味深い調査結果を発表した。
6月の1ヵ月間で民主党大統領候補バラク・オバマのサイトに訪れた人の数は約230万人。一方、共和党候補ジョン・マケインのサイトの訪問者は約56万3000人。その差は4倍に達したというのだ。
また、インターネット・マーケティングでも大きな差が出ている。他のサイトにイメージ広告を出す数で、オバマは6月に1億507万インプレッションを獲得したのに対して、マケインは850万インプレッションと後塵を拝している。
もうひとつ、2人の支持者の違いを浮き彫りにしているのは、「バズ」がどこで起こっているかだ。「バズ」とは人々の話題に上ること。同調査によると、ブログでも掲示板でも、オバマのバズはマケインの倍以上だが、マケインはブログで口にされる方が掲示板より多いのに対して、オバマは掲示板でのバズの方が高い。つまり、オバマについては、ブロガーがブツブツと独り言を言っているのではなく、ミュニティーで支持者たちが意見を交わしているさまがよくわかるのだ。
「オバマ」を話題にしたい人たちに
アプリケーションも提供
オバマのインターネットのサヴィー(洗練)ぶりについては、よく語られるところだ。オバマはよくジョン・F・ケネディの再来と言われるが、その表現はメディアの使い方においても当てはまる。
ケネディが当時勃興したばかりのテレビビジネスにうまく便乗しアピールしたように、オバマはインターネットが広がる、まさにその波に乗って、集まってくる人々をうまくまとめ上げる技に長けているのである。
中でもオバマが得意とするのは、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)だ。インターネットを利用した最初の大統領候補者は、2004年に民主党候補として出馬したハワード・ディーンだが、当時彼の支持者がよく利用したのはミートアップだった。ミートアップは趣味や志を同じくする人々が、まずはインターネット上で出会い、その後オフラインの会合で仲間意識を固めようというものだった。だが、今や舞台はもっと機能を複雑化させたSNSに移っている。