こうした一連の抗議に関して、日テレ側は2月初旬に「これまで以上に配慮する」という内容の謝罪文を発表したものの、その後24日に行われた定例会見では、大久保好男社長が「当面、これ以上の対応は考えていない」と発言している。

 日テレ側を擁護する声も少なくない。たとえばお笑いタレントの松本人志(ダウンタウン)は、出演した他局の番組で、真剣な思いのこもったクレームには理解も示しつつ、「なんとなくイタズラ半分、面白半分でクレームつけてくるものまで対応しちゃうと、どんどん面白くなくなっていく」とコメント。

 また、岡村隆史(ナインティナイン)はラジオ番組で、「もしこれで放送中止になってしまったら、もうテレビの未来はないです」「このドラマがアカンってなったら、昔の『高校教師』なんて再放送もできへん」と話し、過激な描写があった過去作品の例として、『家なき子』や『白い巨塔』を挙げた。

 ヤフーが1月23日~2月3日に行った意識調査「ドラマ『明日、ママがいない』の放送、中止すべき?」には39万5803票が投じられているが、55.2%と半数以上が「放送を続けるべき」と回答している。

 終わらない『明日ママ』への大ブーイングは、本当に妥当なのか。放送の是非は議論が分かれるところだが、そもそも私たちは児童養護施設で暮らす子どもたちの現実をよく知らない。ドラマがクライマックスにさしかかりつつある今、養護施設経験者などの専門家の声も交えながら、改めて語られなかった論点について考察してみたい。

両論併記の報道では正しく伝わらない
団体による主張の根拠はどこにある?

 まずは賛否両論があるなかで、ここで一度、慈恵病院などが行った抗議内容を確認しておきたい。引用が多くなるが、3団体が行っている抗議内容は、漠然としたクレームではなく、また「抗議への反論」をある程度理解した上で書かれたものであり、原文を読むことに意味がある。